Vane,J.R.(英語表記)VaneJR

世界大百科事典(旧版)内のVane,J.R.の言及

【アスピリン】より

…白色の結晶または粉末で,わずかに酸味がある。アスピリンの薬理作用のメカニズムは,1982年度にノーベル賞を受けたイギリスのベーンJ.R.Vaneが1971年に発表した学説によって明らかになった。それは発熱,末梢血管拡張,痛みの感受性増大などの作用をもつ局所ホルモンであるプロスタグランジンE(prostaglandin E)などの生合成に関与する基本的な酵素(シクロオキシゲナーゼ)の働きを抑えることによるものである。…

【解熱鎮痛薬】より

…しかしキニーネの解熱作用に対する信頼感は,多分に激烈な発熱性疾患であるマラリアに対する特効薬的な効果に由来するものであったし,一方では副作用が比較的に多彩な面もあるので,今日では単純な解熱の目的ではあまり使われなくなっている。
[アスピリン様薬物]
 1981年度のノーベル生理・医学賞を受けたイギリスの薬理学者ベインJohn R.Vaneの提唱(1971)に従って,アスピリンおよびアスピリンと同じようなメカニズムにより解熱・鎮痛・抗炎症作用を発揮するとみなされる薬物群をアスピリン様薬物という総称で呼ぶようになってきた。この部類に属する薬物を化学構造からみると実に多彩であるが,これらはすべてシクロオキシゲナーゼという酵素を阻害し,プロスタグランジン・トロンボキサン類の生合成を抑制することにより,本質的に共通の薬理作用を発現するという考えが支配的となっている。…

【プロスタグランジン】より

…現在までに20種類以上が知られ,子宮収縮作用,血管拡張作用のあるE系,F系が実用化されている。(化学式)構造を決定したベルイストロームS.Bergström,アラキドン酸カスケード,トロンボキサンA2(血小板凝集)を発見したサムエルソンB.Samuelsson,PGI2(血管拡張,血液凝固抑制)を発見しアスピリン作用とプロスタグランジンとの関係を発見したベーンJ.Vaneの3人は82年,ノーベル生理学・医学賞を受賞した。プロスタグランジンは肺を中心に代謝は速い。…

※「Vane,J.R.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android