デジタル大辞泉
「秀」の意味・読み・例文・類語
ほ【▽秀】
《「穂」と同語源》
1 外形が人目につきやすく突き出ていること。また、そのもの。「杉の秀」
「見渡せば明石の浦に燭す火の―にそ出でぬる妹に恋ふらく」〈万・三二六〉
2 内容が他よりすぐれていること。また、そのもの。
「百千足る家庭も見ゆ国の―も見ゆ」〈記・中・歌謡〉
しゅう〔シウ〕【秀】
1 すぐれていること。また、その人。
2 成績などの段階を示す語。最もすぐれていることを表す。「秀・優・良・可」
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ひ‐い・でる【秀】
〘自ダ下一〙 ひい・づ 〘自ダ下二〙 (「穂(ほ)出でる」の変化した語)
① 穂がつき出る。
※足利本論語抄(16C)子罕第九「処群華は草の秀たる㒵そ余の草よりは高出なるを云也」
② 他よりもすぐれる。ぬきんでる。傑出する。また、多くの中から
頭角を現わす。ひず。〔成唯識論述記序釈(797頃)〕
※
霊異記(810‐824)中「土
(くに)を厭ふに異に秀
(ヒイデニタル)者なり。〈国会図書館本訓釈 秀 勝也 須久礼爾多留 又云備伊弖爾多流〉」
③ くっきりとしていて目立つ。また、秀麗である。ひず。
ほ【秀】
〘名〙 (「ほ(穂)」と同語源) 高くひいでているもの。外形的に、他のものに比べて高くとび出していて目につくようなものをいうとともに、内容的にすぐれたものをいうこともある。
単独で使われる場合も、「…の」という
連体修飾語をうけることが多く、また、
助詞「つ」を伴って、「ほつ鷹
(たか)」「ほつ手
(て)」「ほつ真国
(まくに)」などのように連体修飾語になることも多い。さらに、「岩ほ」「垣ほ」「ほ倉」などのように熟して用いる。
※
古事記(712)中・歌謡「
千葉の 葛野
(かづの)を見れば
百千足(ももちだ)る
家庭(やには)も見ゆ 国の富
(ホ)も見ゆ」
ひ・ず ひづ【秀】
〘自ダ下二〙 (「穂(ほ)出(い)づ」の変化したもの)
① 穂が出る。草などが穂を出す。
※
万葉(8C後)七・一三五三「
石上(いそのかみ)布留の
早稲田を秀
(ひで)ずとも縄
(なは)だに延
(は)へよ守りつつ居らむ」
② 人の
能力が他よりぬきんでる。ひいでる。〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕
しゅう シウ【秀】
〘名〙
① すぐれていること。ひいでること。また、その人。優秀。
※
正法眼蔵(1231‐53)谿声山色「春松の操あり、
秋菊の秀ある、即是なるのみなり」 〔
晉書‐王導伝〕
② 評価等級に用いて、優秀なものをいう。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
秀 ひで
?-? 江戸時代中期の女性。
宝暦8年(1758)阿波(あわ)重清(しげきよ)村(徳島県美馬町)で,庄屋の不正枡による年貢米取り立てに抗議し,入婿の夫にかわってひとりで藩主に直訴。庄屋の不正はただされたが秀は処刑された。夫は追放刑となり自害。のち同村に秀塚神社がたてられた。
出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例