知恵蔵 「e-Tax」の解説
e-Tax
e-Taxで行うことのできる主な手続きは、以下の通りである。
(1)所得税、法人税、消費税、酒税、印紙税の申告。また、国税庁のホームページで作成した「確定申告データ」を送信することも可能。
(2)インターネットバンキングやATMからの納税。
(3)青色申告をする際の事前の承認申請や納税地の異動届、納税証明書の交付など、税務に関する申請や届け出。
e-taxを利用するには事前の登録手続きが必要になる。個人の場合は、住民票のある市区町村で、本人確認のため住民基本台帳カード(ICカード)を入手し、電子証明書を発行してもらう(住民基本台帳を導入していない地域では電子証明書の発行ができないため、e-taxも利用できない)。法人の場合は、該当する機関で発行される電子証明書が必要になる。なお、電子証明書はICカードに格納されていることが多く、パソコンでの利用に際しては別途ICカードリーダーライターが必要になる。
次に、税務署に「電子申告・納税等開始届出書」を提出すると、利用者識別番号が送られてくる。届出書は郵送や持参でなく、インターネットにより提出することもできる。(インターネット提出の場合はメールで、郵送や持参の場合は郵送で識別番号書類が送付される)。これで、e-Taxの利用が始められる。
e-Taxのメリットとしては、確定申告時期は24時間の利用が可能であり、確定申告時に従来必要だった源泉徴収票、医療費の領収書、社会保険料控除の証明書、生命保険料控除の証明書などの添付も不要となる。ただし、これらの書類は確定申告から3年間は税務署から提出を求められることがあるため、保存しておくとよい。また、事務処理が簡素化されるために、還付申告はスピーディーに対応してもらえるというメリットもある。
このように、e-Taxは事前の届け出や準備が必要だが、申告や納税、変更の手続きなどがインターネットでできるという利便性があり、メリットも多い。
(金廻寿美子 ライター / 2009年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報