メジャー(英語表記)majors

精選版 日本国語大辞典 「メジャー」の意味・読み・例文・類語

メジャー

〘名〙
[一] (major)⸨メージャー
① (形動) 大きな。一流の。また、一流の人や企業。⇔マイナー
長音階。長調。⇔マイナー
[二] (Majors)⸨メージャー⸩ 国際石油資本石油の探鉱・開発から輸送・精製・販売まで一貫操業する国際的石油会社で、第二次世界大戦後、世界の石油供給の大部分を独占してきた、アメリカ・イギリス系などの巨大石油企業をいう。
※現代経済を考える(1973)〈伊東光晴〉I「『メジャー』(Majors)とよばれている二〇の主要会社の占める割合は原油処理量で八四%」

メジャー

〘名〙 (measure)⸨メージャー・メジュアー⸩
① 計量すること。また、その数量。尺度。〔外来語辞典(1914)〕
② ものさし。特に小型の巻尺。また、それで測る寸法。
※外燈(1952)〈永井龍男〉魚の家「その店で、メージャーを取る」
③ ものをはかる基準。尺度。
※現代経済を考える(1973)〈伊東光晴〉V「利子のない社会━利子率というメジャーが存在しない経済はちがう」

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デジタル大辞泉 「メジャー」の意味・読み・例文・類語

メジャー(major)

[名・形動]
規模の大きなこと。主要な位置を占めること。また、そのさまや、そのもの。「メジャーレーベル」⇔マイナー
広く知られているさま。有名なさま。「メジャーな曲」⇔マイナー
音楽で、長調長音階メイジャー。⇔マイナー
(the majors)メジャーリーグのこと。→マイナー4
大学の専攻科目。主専攻科目。メイジャー。→ダブルメジャー
(the Majors)国際石油資本。世界的規模で支配力をもつ米国系・英国系などの巨大石油企業。メイジャー。

メジャー(measure)

計量。測定。「メジャースプーン」
物差し。巻き尺。
基準。尺度。
[類語]物差し差し曲尺かねじゃく矩差かねざし差し金鯨尺鯨差し巻き尺

メジャー(John Major)

メージャー

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改訂新版 世界大百科事典 「メジャー」の意味・わかりやすい解説

メジャー
majors

メジャー(メジャーズともいう)とは国際石油会社international major oil companyないし国際石油資本を指し,かつては,7社あったことから〈セブン・シスターズ〉と呼ばれていた。現在ではエクソン社,モービル社,テキサコ社,シェブロン社(以上アメリカ系資本),ブリティッシュ・ペトロリアム社(イギリス系資本),ロイヤル・ダッチ・シェル社(イギリス,オランダ系資本,ロイヤル・ダッチ・シェル・グループ)の6社をいう(1997)。1社少なくなっているのは,1984年初頭における激しい買収合戦の結果,メジャーのうちガルフ・オイル社が同じくメジャーのシェブロン社(当時はスタンダード・オイル・オブ・カリフォルニア社)に買収されたためである。

 本来メジャーは,国際的に,生産,流通,精製,販売の活動を統合した一貫操業会社で,資本規模も大きく,世界の石油産業を支配してきた。1970年代に入り,OPEC(オペツク)が,自己の利益の極大化を図るため,参加・国有化を通じて,原油の生産量,価格水準の決定権を徐々に獲得し,拡大するのに応じて,メジャーの影響力も後退してきた。たとえば1965年のメジャー7社の原油生産量は1692万バレル/日で西側世界原油生産の68%を占めていたが,73年の第1次石油危機後急速にそのシェアを縮小し,79年には2014万バレル/日,西側世界の39.2%,82年には,1343万バレル/日,同32.5%にまで低下した。ただメジャーが取り扱っている石油製品の販売は,原油生産の低下ほどには低下してこなかった。すなわち1965年のメジャーの石油製品の販売量は1532万バレル/日,西側世界の57.4%から,79年には2254万バレル/日,同43.7%を経て,82年には1822万バレル/日,同39.9%となっている。このことは,現在でもメジャーは,相対的に支配力を喪失してきたとはいえ,まだ石油製品の販売では圧倒的な力をもっているということを示しているといえる。

 しかしこのような勢力の相対的な後退のなかで,メジャー6社もそれぞれ生残り戦略を模索しはじめている。その戦略は,(1)原油の探鉱・開発の主力を北アメリカ,北海等の非OPEC地域に集中し,ペルシア湾への依存を避ける,(2)しかもコストのかかる新規開発よりも企業の吸収合併を通じて,自社の原油埋蔵量を増大させる,(3)また石油精製部門では,不採算地域における精製設備の売却,削減,閉鎖および人員整理を行い,(4)高度化装置(各種の分解装置等をいい,重質製品をガソリン等の軽質製品に転換する)の導入による製品価値の引上げと利益の増大を図る,という方向に向かっている。しかし石油のエネルギーに占める重要性は相対的に後退することが確実視されている現在,メジャーがメジャーとして生き残りうるのは,エクソン社,ロイヤル・ダッチ・シェル社,モービル社の3社程度ではないかともいわれており,状況はかなり厳しいといえよう。
執筆者:

メジャーという言葉は国際石油会社のことだけでなく,世界の穀物市場を支配している五つの巨大な穀物商社のことをいうこともある。それはアメリカのカーギル社,コンティネンタル・グレーン社,フランスのルイ・ドレフュス社,オランダのブンゲ社,スイスのアンドレ社の5社である。この5社は輸送と貯蔵という穀物の流通システム全般を支配しており,その巨額にのぼる資本力によって,他社の参入を許していない。これら穀物メジャーの市場支配力は,たとえば世界の穀物輸出の約60%を占めるアメリカの穀物輸出の約50%をカーギル社とコンティネンタル社が扱い,後の3社を加えるとこの比率は85%くらいにまで上昇することで理解できよう。世界市場においても五大穀物メジャーは70%から80%のシェアを有していると推定される。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「メジャー」の意味・わかりやすい解説

メジャー

国際的な石油カルテルのこと。形式的にはスタンダード・オイル(ジャージー・スタンダード。後のエクソン),ロイヤル・ダッチ・シェル・グループ,アングロ・ペルシアン(後のブリティッシュ・ペトロリアム)による1928年の,世界市場における現状維持協定,旧オスマン帝国内の石油資源共同開発協定をいう。しかし実質的にはこの協定を基礎に,モービル・オイル,テキサコガルフ・オイル,シェブロンも加えたいわゆる七大国際石油資本(セブン・シスターズ)の世界市場支配体制をいった。このうちガルフ・オイルが1984年シェブロンに買収されるなど,競争が激しく,一方で1970年代には産油国の民族運動(OPEC),有力アウトサイダーの登場,旧ソ連原油の進出などで支配力は徐々に低下した。その対応策の一つとして,1998年にはブリティッシュ・ペトロリアム(BP)がアモコと,エクソンがモービル・オイルとの合併を発表した。これによって新会社エクソン・モービルは売上高2030億ドルの世界最大の石油会社となった。→石油産業
→関連項目原油取引民族資本ロイヤル・ダッチ・ペトロリアム[会社]

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デジタル大辞泉プラス 「メジャー」の解説

メジャー〔アニメ〕

日本のテレビアニメ。放映はNHK。2004年11月~2010年9月まで全6期が断続的に放映。原作:満田拓也による漫画作品『MAJOR』。制作:スタジオ雲雀(2007年放映の第3期まで)、SynergySP(2008年放映の第4期以降)。声の出演:くまいもとこ、森久保祥太郎ほか。野球少年の成長と、メジャーリーグでの活躍までを描く。2008年に劇場版が公開。

メジャー〔実在動物〕

アメリカ第46代大統領、ジョー・バイデンの飼い犬。犬種はジャーマン・シェパード。ホワイトハウス初の保護施設出身の犬として知られる。

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世界大百科事典(旧版)内のメジャーの言及

【エクソン[会社]】より

…〈エッソESSO〉(Standard Oilの頭文字SOをもじって命名)の商標で知られる。原油生産および処理量,石油製品および天然ガス販売量,売上高および利益額のすべてにおいて石油メジャーの首位を占めるばかりでなく,世界最大の事業会社であり,かつ,100を超える国々で石油事業を営む典型的な多国籍企業の一つである。エクソンは,ジャージー・スタンダードStandard Oil Co.(New Jersey)が1971年社名変更したものであるが,カリフォルニア・スタンダード(スタンダード・オイル・オブ・カリフォルニア),インディアナ・スタンダード,オハイオ・スタンダード等の諸社もあり,これらはかつてはスタンダード・オイル・グループにあったものである。…

【石油産業】より

…以下ジャージー・スタンダードと略),スタンダード・オイル・オブ・カリフォルニア社(現,シェブロン社。以下カリフォルニア・スタンダードと略),スタンダード・オイル・オブ・ニューヨーク社(現,モービル社)が含まれており,いわゆるアメリカのメジャーの形がととのった。
[需要の拡大過程]
 こうした石油産業の発展を支えたのが,石油需要の拡大である。…

※「メジャー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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