多多(読み)たた

精選版 日本国語大辞典 「多多」の意味・読み・例文・類語

た‐た【多多】

〘名〙 (副詞的にも用いる)
① (形動) 数の多いさま。沢山。大層。多く
※新十二月往来(1206頃か)「菖蒲艾等令献候。如問丸。定多多令進上候歟」
東洋学芸雑誌‐八八号(1889)社会主義〈和岡垣謙三〉「感服すべきことが多々有るに関はらず」 〔法言‐問神〕
② 多ければ多い程。
文明論概略(1875)〈福沢諭吉〉一「多多益これを採用して益精神の働を活溌ならしむるに在り」 〔元稹‐善歌如貫珠賦〕

たた【多多】

〘名〙 (tata の音訳) 父のこと。
三帖和讚(1248‐60頃)正像末「多多(ちちをいふなり)のごとくすてずして、阿摩(ははをいふなり)のごとくにそひたまふ」

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デジタル大辞泉 「多多」の意味・読み・例文・類語

た‐た【多多】

[副]
数がきわめて多いさま。たくさん。「至らぬところが多多ある」
多ければ多いほど。
軽蔑は―益益恬然と虚偽を吐かせるものである」〈芥川侏儒の言葉〉
[類語]沢山多く多い数数かずかず多数数多すうた無数多量大量大勢おおぜいおびただしいいっぱいあまたいくらもいくらでもざらにごろごろどっさりたっぷり十二分に豊富にふんだんに腐るほどごまんとわんさとしこたまたんまりうんとたんと仰山ぎょうさんなみなみ十分しっかりがっつり大挙多勢多人数大人数衆人莫大膨大巨万豊か潤沢無尽蔵山ほど盛り沢山がっぽりがっぽがっぽ多め幾多過多最多多作多め数知れない数知れぬ数え切れない十指に余る枚挙にいとまがない掃いて捨てるほど

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普及版 字通 「多多」の読み・字形・画数・意味

【多多】たた

多い。多いほど。〔史記、淮陰侯伝〕上(しやう)問うて曰く、我の如きは能く何(いくばく)に將たると。信曰く、陛下は能(よ)く十に將たるにぎずと。上曰く、君に於ては何如(いかん)と。曰く、臣は多多にして善きのみと。

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