オッカムの剃刀(読み)オッカムノカミソリ

デジタル大辞泉 「オッカムの剃刀」の意味・読み・例文・類語

オッカム‐の‐かみそり【オッカムの剃刀】

「必要なしに多くのものを定立してはならない」という原則。14世紀の哲学者・神学者オッカム議論で多用し、十分な根拠のない要素を切り捨てたことから、この名で呼ばれる。「ある事柄を説明するために必要以上に多くの仮定を用いるべきではない」「ある現象を説明する理論法則が複数ある場合、より単純な方がよい」などの意味で用いられる。思考経済の法則。思考節約の原理。科学的単純性の原則。倹約の法則。ケチの原理。

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法則の辞典 「オッカムの剃刀」の解説

オッカムの剃刀【Occam's razor】

科学的単純性の原則*参照

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のオッカムの剃刀の言及

【オッカム】より

…他方,彼が信仰と理性の分極化に拍車をかけ,この二者の統合の上に築かれていたスコラ学の崩壊を早めたことは否定できない。〈必要なしに実在を多数化してはならぬ〉という形で知られる〈思考節約の原理〉,いわゆる〈オッカムの剃刀(かみそり)〉は,ほんらい観察された事実,論理的自明性,神的啓示など〈十分な根拠〉なしにはいかなる命題も主張してはならないことを規定している。オッカムの天才が最大に発揮されたのは論理学の分野においてであり,彼は中世における最大の論理学者の一人に数えられる。…

【思考経済】より

…科学の目標は〈最小の思考の出費で事実をできるだけ完全に記述する〉(マッハ)ことにある,と定式化される。その源流は中世の〈オッカムの剃刀(かみそり)〉にさかのぼる。19世紀末にマッハおよびアベナリウスが,これを経験批判論の基本原則としたところから一般に広まり,論理実証主義に引き継がれた。…

※「オッカムの剃刀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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