旺文社世界史事典 三訂版 「カール(1世)」の解説
カール(1世)
KarlⅠ
フランク王国,カロリング朝最盛期の王(在位768〜814)
ドイツではカール大帝(der Grosse),イギリスではチャールズ大帝,フランスではシャルルマーニュと呼ばれる。ピピンの子。兄とフランク王国を分治したが,兄の死後全フランクを統治し,ザクセン族を征服した。さらに教皇の要請でイタリアのロンバルド(ランゴバルド)族を討ってローマ教会とのつながりを強化し,スペイン北部や東欧を征服してほぼ西ヨーロッパ世界を政治的に統一した。800年教皇レオ3世から西ローマ帝国皇帝の帝冠を受け,ローマ教会のビザンツ帝国からの自立と西欧社会のキリスト教化を促進し,古典文化を受けいれてアーヘンの宮廷を中心にカロリング−ルネサンスをおこした。ゲルマン諸族の伝統を尊重しながら中央集権化に努力するとともに,古典ローマ・キリスト教・ゲルマン文化の融合者,中世西欧世界の確立者として歴史的に重要な役割を果たした。
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報