グエン・カオ・キ(英語表記)Nguyen Cao Ky

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グエン・カオ・キ」の意味・わかりやすい解説

グエン・カオ・キ
Nguyen Cao Ky

[生]1930.9.8. フランス領インドシナ,ソンタイ
[没]2011.7.23. マレーシア,クアラルンプール
ベトナム軍人政治家。1954年にフランスの飛行学校,1958年にアメリカ合衆国の空軍大学を卒業。1963年11月ゴ・ジン・ジェム政権が崩壊し,その後ベトナム共和国(南ベトナム)の空軍司令官となる。徹底した反共主義の立場から若手将校グループの中心となり,1964年には立法評議会解散の主役となって,ズオン・バン・ミン追放。1965年2月にはグエン・カーン追放の首謀者となって同年 6月軍事政権の首相就任。1967年9月民政移管の大統領選挙で,グエン・バン・チューと組んで副大統領に当選。1971年10月の大統領選挙をめぐり,チュー大統領との対立激化,いったんは大統領候補に名のりをあげたが,政争に敗れ,軍務に復帰した。1975年春のベトナム共和国崩壊時にアメリカに亡命した。(→ベトナム史ベトナム戦争

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グエン・カオ・キ」の意味・わかりやすい解説

グエン・カオ・キ
ぐえんかおき
Nguyen Cao Ky
(1930―2011)

南ベトナムの軍人、政治家。ベトナム北部に生まれ、モロッコのフランス航空士官学校を卒業、ベトナム人初のパイロットとなる。1963年南ベトナム空軍司令官に就任。1965年グエン・カーンNguyen Khanh(1927―2013)追放クーデターに成功、1967年まで首相。同年9月大統領グエン・バン・チューの下で副大統領となり権勢を振るったが、1971年グエン・バン・チューと対立、下野した。1975年4月、サイゴン(現、ホー・チ・ミン市)陥落直後にアメリカに亡命し、ロサンゼルスでスーパーマーケットを経営。2004年、故国を訪れた初の旧南ベトナム政府高官となった。著書に『Twenty Years and Twenty Days』(1976)がある。

[黒柳米司]

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20世紀西洋人名事典 「グエン・カオ・キ」の解説

グエン・カオ・キ
Nguyen Cao Ky


1930.9 -
ベトナムの軍人,政治家。
元・南ベトナム副大統領。
ベトナム北部生まれ。
ベトナム北部に生まれる。モロッコのフランス航空士官学校を卒業し、ベトナム人初のパイロットとなる。1963年南ベトナム空軍司令官。’65年グエン・カーン追放クーデターに成功。同年9月首相となり、国家指導委員会を設立、政治の実権を握る。’67年副大統領となるが、’71年チュー大統領と対立、下野する。’75年4月サイゴン陥落直後に米国に亡命。

出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報

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