知恵蔵 「ジュリアン・ムーア」の解説
ジュリアン・ムーア
アメリカ・ボストン大学を卒業後、1980年代半ばからニューヨークでオフブロードウェイを中心に舞台やテレビに出演し、90年に映画デビューを果たす。
94年の演劇ドキュメンタリー「42丁目のワーニャ」での演技が高く評価され、97年の「ブギーナイツ」でアカデミー助演女優賞に、99年の「ことの終わり」で主演女優賞にノミネートされる。2001年には「ハンニバル」で、前作に当たる「羊たちの沈黙」でジョディ・フォスターが演じたFBIの捜査官クラリス・スターリング役に抜てきされた。
更に02年度には、「エデンより彼方に」で主演女優賞、「めぐりあう時間たち」で助演女優賞と、アカデミー賞の2部門で同時ノミネートされた。「エデンより彼方に」では、02年にベルリン国際映画祭女優賞、「めぐりあう時間たち」では03年にヴェネチア国際映画祭の女優賞(銀熊賞)を受賞している。
「ブギーナイツ」のポルノ女優から「トゥモロー・ワールド」(06年)の反体制ゲリラの闘士まで、幅広い役柄を演じ分けられるのが魅力で、13年にはハリウッドの殿堂入り(2507人目)を果たしている。そして4回ノミネートされながら逃し続けたオスカーを、14年の「アリスのままで」で獲得した。同年の「マップ・トゥ・ザ・スターズ」ではカンヌ国際映画祭の女優賞に選ばれたため、主要映画賞と世界三大映画祭の女優賞を制覇したことになる。オスカーの受賞スピーチでは、「アカデミー賞を受賞すれば寿命が5年延びる可能性がある」という記事を読んだとし、「夫は私より若いので、本当だとしたらアカデミーに感謝したい」と述べた。
(南 文枝 ライター/2015年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報