ユッケ(読み)ゆっけ

精選版 日本国語大辞典 「ユッケ」の意味・読み・例文・類語

ユッケ

〘名〙 ('yug-hoi) 朝鮮料理一つ。牛の赤身肉を叩いて、しょうゆごま油、唐辛子みそ、にんにくなどを合わせた調味料で和(あ)えて食べるもの。

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デジタル大辞泉 「ユッケ」の意味・読み・例文・類語

ユッケ

《〈朝鮮語〉》朝鮮料理の一。牛肉の赤身を細かくたたき、醤油・ごま油・砂糖・ニンニクなどで調味して盛り、中央卵黄をのせたもの。

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知恵蔵 「ユッケ」の解説

ユッケ

韓国の生肉料理。漢字では「肉膾」と表し、「肉の刺身」を意味する。牛肉の赤身を細く切り、ゴマ油、ネギ、ニンニク、しょうゆ、砂糖などを合わせたタレで和え、中央に卵黄を乗せて松の実の粉を散らし、ナシの千切りなどを添えて提供するのが一般的。日本でも焼き肉店の定番メニューになっている。
ルーツは、ヨーロッパ東部のタルタルステーキと同じで、13世紀半ばに朝鮮半島がモンゴル帝国の支配下に置かれ、遊牧民族の肉食文化が普及したとされる。当時食べていたのは役牛で、その硬い肉を食べやすくするために刻み、生食に適さない脂身を避けて赤身の部位を使用したと見られている。19世紀末の料理専門書『是議全書』には、脂のない牛肉を血抜きして細切りし、ネギ、ニンニク、胡椒(こしょう)、すりゴマ、油、蜂蜜などを混ぜ合わせてもみこみ、松の実のみじん切りを加える、と記されているという。
日本でも近年、焼き肉店などで日常的に食べられるようになったが、一方で肉の生食による食中毒が頻発している。2011年4月から5月にかけて焼き肉チェーン店で発生した集団食中毒事件では、ユッケなどを食べた客が腸管出血性大腸菌O(オー)111に感染して4人が死亡、160人以上が発症した。厚生労働省は、1996年の牛生レバーによる大腸菌O(オー)157の食中毒事件を受けて「生食用食肉の衛生基準」を策定していたが、基準を満たしていない肉が生食用として飲食店で広く提供されている実態が明らかになった。

(原田英美  ライター / 2011年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「ユッケ」の解説

ユッケ【(朝鮮)】

朝鮮料理の一つ。赤身の牛肉を細切りにし、生のまましょうゆ・ごま油・コチュジャン・おろしにんにく・すりごまなどと和えたものの上に卵黄をのせたもの。せん切りにした梨(なし)や松の実を添えることが多い。よく混ぜてから食べる。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のユッケの言及

【朝鮮料理】より

…刺身類膾(フェ)とよび,トウガラシの入った酢みそ,酢じょうゆであえたりつけたりして食べる。牛肉を用いたものは肉膾(ユッケ),魚を用いたものは生鮮膾(センソンフェ)などとよぶ。材料にはなまもののほかに,かるく熱を通して用いる熟膾(スッケ)もある。…

※「ユッケ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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