ルバーブ(楽器)(読み)るばーぶ(英語表記)rěbab

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルバーブ(楽器)」の意味・わかりやすい解説

ルバーブ(楽器)
るばーぶ
rěbab

インドネシアの弦鳴楽器の一種。木またはヤシの殻でできた浅い椀(わん)形の胴に皮(水牛の腸や膀胱(ぼうこう))を張り、胴の上下に細長い棹(さお)と足を取り付ける。弦は普通2本で、フレットはなく、駒(こま)は取り外し可能。あぐらに座って構え、弓奏する。ジャワ島やバリ島では、ガムランとよばれる大合奏のなかで旋律を装飾する役目をつかさどる。また、スマトラカリマンタン、スラウェシ北部、マルク諸島では1弦のルバーブが、ナングロ・アチェー・ダルサラム(旧アチェー)では3弦のものがみられる。ルバーブはアラビアの弦楽器ラバーブの変形したもので、イスラム教徒が西方よりもたらしたものと考えられる。なお同種のものにタイのソー・サーム・サーイがある。

[川口明子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のルバーブ(楽器)の言及

【ラバーブ】より

…アジア・アフリカのイスラム文化圏で用いられるリュート型弦楽器の名。この名およびルバーブ,レワーブ,ロバーブなどその変形で呼ばれる弦楽器は構造上1種類に限定されず,地方によってさまざまであるが,共通していえることは,共鳴胴の腹面に動物の革が張られていること,そして大部分が弓奏楽器であることである。第1のタイプは,日本の胡弓のように,長い棹が四辺形または円形の共鳴胴を横から貫通しているもので,アラブのベドウィンが用いる1弦のラバーブ・アッシャーイルrabāb al‐sha‘ir(詩人の胡弓)(イラスト)はその代表的なものである。…

※「ルバーブ(楽器)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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