火山などの岩島との間に礁湖とよばれる水域をもつ環状のサンゴ礁。ダーウィンによると、熱帯地方の火山島の周囲には、サンゴ礁が形成されるが、火山島がゆっくりと沈降するにつれて、サンゴが上方に成長し続け、その結果堡礁が形成されるという。またデーリーによると、後氷期の世界的な海面の上昇によっても堡礁が形成されるという。堡礁の形態は環状のもののほか、大陸に沿って細長いリボン状の平面形を示すものもある。また、断面形は非対称的な特性を示す。礁湖の水深は80メートル以下で一般に浅く、サンゴ質の小突起による微起伏がある程度で緩やかである。堡礁面は海面に近い平坦(へいたん)な面で、満潮時に海水に覆われることもある。堡礁の沖側は急斜して水深が数千メートルの深海に達している。大陸に接した堡礁の事例としては、オーストラリア東岸の大堡礁(グレート・バリア・リーフ)があげられる。ニュー・カレドニア諸島、フィジー諸島などにもみられる。また、チモール海、スンダ海の陸棚には、通常の堡礁のほかに沈水堡礁が認められる。
[豊島吉則]
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…サンゴ礁地形の平面形や断面形は,場所ごとの生態的条件,海底地形の条件とともに,それ以上に後述する第四紀の海水準変化と海水温度変化によって決められている。この結果サンゴ礁は,エプロン礁apron reef,裾礁fringing reef,堡礁barrier reef,環礁atoll,卓礁table reef,離礁patch reefに大別される(図1)。各タイプの分類規準となる地形要素は礁湖の有無や深度,堤状をなす礁外縁が低潮位面にほぼ一致した平たん部すなわち礁原reef flatの連続性の程度,外洋側の礁斜面の基底部の深度および陸棚の幅に対する礁全体の幅の相対的な位置,このほかに中央島の有無などである。…
※「堡礁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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