物理学者。兵庫県西宮市生まれ。1965年(昭和40)に東京大学理学部物理学科を卒業後、日立製作所中央研究所に入所。1973年から1974年まで西ドイツのチューリンゲン大学に留学。1999年(平成11)から日立製作所フェロー。電子顕微鏡の開発から、電子線の干渉による「電子線ホログラフィー」の開発に進み、量子力学における先駆的な研究を行った。とくに1982年、1986年の「アハラノフ‐ボーム効果(AB効果)」の実験的検証は重要である。「AB効果」とは、電子が電場・磁場が存在しない空間でも電磁ポテンシャルの影響を受ける現象である。古典論では、電子は電場・磁場が存在しない空間では電磁ポテンシャルの影響を受けないが、量子論では、電磁ポテンシャルの影響を受けることが予想されていた。この効果を実験的に検証したことにより、量子論の検証および電磁ポテンシャルの実在性を証明した。2002年(平成14)文化功労者。
[編集部 2023年7月19日]
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