大田昌秀(読み)おおたまさひで

百科事典マイペディア 「大田昌秀」の意味・わかりやすい解説

大田昌秀【おおたまさひで】

社会学者,政治家沖縄県生れ。早大卒。シラキュース大学大学院修了。ハワイ大学で教え,1968年琉球大教授。沖縄戦の体験から,《沖縄の民衆意識》《醜い日本人》《沖縄の心》などの著作で沖縄への本土人の差別を訴えた。1990年沖縄県知事に当選し,12年ぶりの革新県政を誕生させる。1995年沖縄駐留米兵の少女暴行事件をきっかけに起きた基地反対抗議行動をうけ,国の機関事務である米軍用地強制使用手続きの代理署名を拒否。国が起こした職務執行命令訴訟で署名命令の判決が出たあともこれを拒否したが,9月橋本龍太郎首相との会談のあと代理署名を受け入れた。その後,基地代替の海上ヘリポート建設に反対を表明,知事3選をめざしたが,1998年11月選挙で保守系の稲嶺恵一に敗れた。→沖縄基地問題

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大田昌秀」の解説

大田昌秀 おおた-まさひで

1925- 昭和後期-平成時代の社会学者,政治家。
大正14年6月12日生まれ。昭和43年琉球大教授。沖縄戦後史,沖縄社会の研究につとめ,米軍の沖縄統治関係の公文書研究にもとりくむ。平成2年より沖縄県知事を2期つとめ,基地縮小をうったえる。13年参議院議員(当選1回,社会民主党)。19年政界を引退。沖縄県出身。早大卒。著作に「沖縄のこころ」「近代沖縄の政治構造」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android