小林繁(読み)こばやししげる

百科事典マイペディア 「小林繁」の意味・わかりやすい解説

小林繁【こばやししげる】

プロ野球選手。投手。鳥取県生れ。鳥取県立由良育英高校(現,県立鳥取中央育英高校)卒業後,社会人野球を経て,1971年のドラフト会議でセントラル・リーグ読売ジャイアンツに6位指名された。体力面の問題などからプロ入りの意志がないことを宣言していたが,1972年に入団。1976年・1977年にはともに18勝を挙げ,ジャイアンツのエースとなっていた。しかし,1978年11月にジャイアンツが野球浪人中の江川卓(すぐる)投手と野球協約の〈空白の一日〉を突いて入団契約を交わした,いわゆる〈江川事件〉が発生。同年のドラフト会議で江川の交渉権を得ていた阪神タイガースに対しての交換要員として,小林はジャイアンツからタイガースに移籍した。移籍1年目の1979年にはジャイアンツ戦の8連勝を含む22勝(9敗)を挙げて最多勝を獲得。その後も連続して2ケタ勝利を挙げたが,1983年のシーズン途中で13勝(14敗)を挙げながらも引退。投法細身の身体をいっぱいに使った独特の横手投げで,通算成績は139勝95敗,2度の沢村賞にも輝いている。引退後はパシフィック・リーグ近鉄バッファローズ日本ハムファイターズコーチを務めたが,2010年ファイターズキャンプインを間近に控えながら急逝。なお,2007年秋にはテレビCMで江川と共演しており,これが両者和解といわれる。

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