こう‐せい【後世】
〘名〙
※続日本紀‐養老五年(721)一〇月丁亥「冝下〈略〉謚号称二其国其北郡朝庭馭宇天皇一。流中伝後世上」
※却来華(1433)「当道の
家名を、後世にのこすべき人躰あらずとおもひけるやらん」 〔易経‐繋辞下〕
※
菟玖波集(1356)序「美誉雖
レ垂
二後世
一、佳句不
レ伝
二遺音
一」 〔
史記‐秦始皇本紀〕
※
洒落本・不仁野夫鑑(1787)序「
古方でもなく後世
(コウセイ)でもなくせう事なしの
山師の玄関見脈」
ご‐せ【後世】
① 生まれかわった後の世。
後生(ごしょう)。
来世。
※
落窪(10C後)四「我が子ども七人あれど、かく現世後世嬉しき目見せつるや有りつる」 〔
色葉字類抄(1177‐81)〕〔大集経‐一六〕
※観智院本三宝絵(984)中「ただ願はくは大徳後世を引導し給へ」
[語誌](1)類義の「後生
(ごしょう)」が来世のために積む
功徳の方へ意味を広げていったのに対して、「後世」は、「後世を願う」などの、
極楽往生を願う場合の
用法が多く、それが転じて②のように死後の安楽そのものを意味するようになった。
(2)
漢音よみのコウセイは、「色葉字類抄」には見えないが、「文明本節用集」では「
孝経」の引用部分に見え、仏教語としてのゴセとははっきり区別されていたと思われる。
ご‐せい【後世】
※
江戸から
東京へ(1922)〈
矢田挿雲〉八「髪を剃って文恭院様の後世
(ゴセイ)を弔ふことを許された」
のち‐せ【後世】
※浄瑠璃・
今宮心中(1711頃)下「ふでもあれかし我心かいてのちせにとどめたや」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「後世」の意味・読み・例文・類語
こう‐せい【後世】
1 自分たちの生きている時代のあとに来る時代。のちの世。「後世に名を残す」
2 のちの世の人。子孫。「後世に伝えたい文化遺産」
[類語]末代・後代・次代・後の世・末の世
のち‐せ【後世】
のちの世。こうせい。
「我が心、書いて―に留めたや」〈浄・今宮の心中〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
普及版 字通
「後世」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報