杉浦忠(読み)スギウラタダシ

デジタル大辞泉 「杉浦忠」の意味・読み・例文・類語

すぎうら‐ただし【杉浦忠】

[1935~2001]プロ野球選手・監督愛知の生まれ。立教大でノーヒット・ノーランを記録するなど投手として活躍。昭和33年(1958)南海福岡ソフトバンク前身)に入団。翌年38勝をあげてリーグ優勝に貢献し、日本シリーズでは4連投して4連勝、日本一となった。引退後は同球団の監督を務めた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「杉浦忠」の意味・わかりやすい解説

杉浦忠
すぎうらただし
(1935―2001)

プロ野球選手(投手:右投右打)、監督。9月17日、愛知県生まれ。挙母(ころも)高から立教大学に進学後、アンダースローに転じたことが奏功し、同期の強打者長嶋茂雄(しげお)、本屋敷錦吾(もとやしききんご)とともに六大学野球史上に名を残す名選手となった。1958年(昭和33)南海ホークス(現、福岡ソフトバンクホークス)に入団、1年目で27勝をマークして新人王に選ばれた。浮き上がる速球と大きく曲がるカーブで打者を圧倒、翌1959年は38勝でわずか4敗、最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振の投手三冠王となり、チーム4年ぶりの優勝に貢献して最高殊勲選手(現、最優秀選手)の栄誉にも輝いた。また南海が過去4回の対戦で一度も勝てなかった読売ジャイアンツ巨人)との日本シリーズでは、4連投して4連勝し、心酔する鶴岡一人(かずと)を日本一の監督にした。1960年も31勝して2年連続で奪三振王となったが、その後は故障に苦しみ、1965年からは救援転向、1970年を最後に引退した。1986年から1988年まで南海の監督、1989年(平成1)南海が福岡ダイエーホークスになると、引き続き1年間監督を務めた。

[出村義和 2016年9月16日]

 選手としての13年間の通算成績は、登板試合577、投球回2413と3分の1、187勝106敗、防御率2.39、奪三振1756、完投95、完封18。獲得したおもなタイトルは、新人王、最多勝利1回、最高勝率1回、最優秀防御率1回、最多奪三振2回、最高殊勲選手(現、最優秀選手)1回、ベストナイン1回。監督としての通算成績(4年)は、520試合、223勝271敗26分け、勝率4割5分1厘。1995年(平成7)に野球殿堂野球殿堂博物館)入り。

[編集部 2016年9月16日]

『杉浦忠著『僕の愛した野球』(1995・海鳥社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「杉浦忠」の意味・わかりやすい解説

杉浦忠
すぎうらただし

[生]1935.9.17. 愛知,豊田
[没]2001.11.11. 北海道,札幌
プロ野球選手,監督。挙母(ころも)高等学校を経て 1954年立教大学に入学。2年生のときに下手投げに転向して頭角を現した。長嶋茂雄と同期生で,東京六大学野球の投打のスターとして明治神宮野球場を沸かせた。1958年南海ホークスに入団,プロ 1年目で 27勝12敗,防御率 2.05を記録して新人王に輝いた。翌 1959年には 38勝4敗,防御率 1.40を記録し投手部門のタイトルを独占,最高殊勲選手に選ばれた。同 1959年の読売ジャイアンツ(巨人)との日本シリーズでは,4連投で 4連勝。伝説のマウンドさばきでチームを日本一に導いた。その後も球界を代表する下手投げ投手として君臨した。1970年に引退。通算成績は 187勝106敗,防御率 2.39。引退後は近鉄バファローズ投手コーチを経て,1986年南海ホークス監督,1989年福岡ダイエーホークス初代監督に就任,1990~93年同球団取締役を務めた。1995年野球殿堂入り。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「杉浦忠」の解説

杉浦忠 すぎうら-ただし

1935-2001 昭和後期-平成時代のプロ野球選手,監督。
昭和10年9月17日生まれ。立大で長嶋茂雄,本屋敷錦吾らと黄金時代をつくり,昭和33年南海に入団。下手投げの快速球で27勝をあげ新人王。34年38勝4敗で投手部門のタイトルを独占。巨人相手の日本シリーズで4連投4勝の活躍で日本一。実働13年,通算187勝106敗,防御率2.39。61-平成元年南海(のちダイエー)監督。平成7年野球殿堂入り。平成7年野球殿堂入り。平成13年11月11日死去。66歳。愛知県出身。

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