漆黒(読み)しっこく

精選版 日本国語大辞典 「漆黒」の意味・読み・例文・類語

しっ‐こく【漆黒】

〘名〙 (形動) 黒漆(くろうるし)を塗ったように黒くてつやのあること。また、そのさまやその色。まっくろ。
※山陽詩鈔(1833)三・荷蘭船行「漆黒蛮奴捷於猱、升桅理絛手爬掻」
※羽鳥千尋(1912)〈森鴎外〉「或る夕明るい燭の下で、色の白い細面に、漆黒(シッコク)な髯を長く垂れて」 〔孫樵‐祭梓潼神君文〕

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デジタル大辞泉 「漆黒」の意味・読み・例文・類語

しっ‐こく【漆黒】

黒うるしを塗ったように黒くてつやがあること。また、その色。「漆黒の髪」
[類語]黒色真っ黒黒っぽいか黒い黒い黒黒黒ずむどす黒い浅黒い色黒真っ黒け真っ黒い黒み墨色赤黒い青黒い黒む純黒直黒ひたぐろ鉄色煤色すすいろ烏羽からすばからすの濡れ羽色がんぐろ薄黒い黒変黒ばむ真っ暗暗闇真っ暗闇暗黒ブラックダーク

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普及版 字通 「漆黒」の読み・字形・画数・意味

【漆黒】しつこく

まっくろ。うるしを塗ったように黒い。唐・韓〔殿中少監馬君(継祖)墓誌〕姆(うば)、幼子きて側に立つ。眉眼畫けるが如く、髮漆なり。

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色名がわかる辞典 「漆黒」の解説

しっこく【漆黒】

色名一つ黒漆塗り漆器のように、つややかな色をさす。純黒じゅんこくと表現されることもあり、純粋な黒をさしている。「漆黒の闇」といわれるように、まったく光が存在しない世界をイメージしているのは「黒」と同じ概念だが、実際にあらゆる光を吸収する物質は存在しないとされる。ただし黒が概念にとどまっているのに対し、漆黒は漆器の黒という物質を提示しており、無彩色でありながら、光の反射による微妙な彩りを否定しない。論理矛盾ではあるが、想像力を感じさせる色名といえる。

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