石拳(読み)イシケン

デジタル大辞泉 「石拳」の意味・読み・例文・類語

いし‐けん【石拳】

じゃんけん

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精選版 日本国語大辞典 「石拳」の意味・読み・例文・類語

いし‐けん【石拳】

〘名〙 遊びの拳(けん)一種。二人以上の者が、片手で、石、紙、はさみの形をまねて、同時にそのいずれかの形を出して勝負を決める。普通、石ははさみに勝ち、はさみは紙に勝ち、紙は石に勝つ。物事順序などを決める簡便な方法としても行なわれる。じゃんけん。いし。いしかみ。
風俗画報‐六〇号(1893)遊芸門「三竦みの拳は蟲拳石(イシ)拳、狐拳虎拳の四種とす」

せっ‐けん セキ‥【石拳】

〘名〙 石のようにかたいこぶし。
東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉初「鉄臂石拳、四十の手を尽し、八十の技を極めて而して真に両虎の戦を為し」

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「石拳」の解説

石拳
じゃんけん

三すくみ拳の一種。石(じゃく)か中国の両拳(リャンチェン)のなまりか,戯れる=じゃれるの接頭詞がついたものか,拳を打つ時の掛け声か,名称の由来は不明。握った拳の石と開いた掌が紙で2本の指をだして鋏を示し,互いに勝ち負けがあるので三すくみになる。江戸末期の随筆「巷街贅説(こうがいぜいせつ)」にみえ,酒席の遊びが児童の遊びとなり現在まで伝えられ,ささいな事柄判定に大人も使うことがある。

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世界大百科事典(旧版)内の石拳の言及

【拳】より

…このように1から10までと〈無し〉の11種で,これを中国語音で呼ぶ。
[三すくみ拳]
 おもなものとして狐拳(庄屋拳,藤八拳ともいう),虫拳,虎拳,石拳(じゃんけん)などがあるが,さらに狐拳から変容した柳拳,尾上拳,深川拳,ちょん脱拳,お上げのお手を,おいでなさい,廻り拳,供(とも)せ供せなどがある。また拳をつかわず,狐拳を言葉で行うめくら拳もある。…

【じゃん拳】より

…拳の一種。〈石拳〉ともいう。中国から伝わった本拳から生まれたものと思われる。…

※「石拳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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