筆塚(読み)フデヅカ

デジタル大辞泉 「筆塚」の意味・読み・例文・類語

ふで‐づか【筆塚】

使い古した筆の供養のために、筆を地に埋めて築いた塚。

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精選版 日本国語大辞典 「筆塚」の意味・読み・例文・類語

ふで‐づか【筆塚】

〘名〙 使い古した筆を集めて地に埋め、その供養のために築いた塚。
※孔雀楼文集(1774)補遺、海楼先生筆塚銘並序「其所用退筆、永翅、嗣子寔建筆塚於其埋玉之上、求銘於予
茶話(1915‐30)〈薄田泣菫馬車葬式日本では往時から文塚、筆塚(フデヅカ)、針塚といったやうな物があった」

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普及版 字通 「筆塚」の読み・字形・画数・意味

【筆塚】ひつちよう

筆塚(ふでつか)。〔唐国史補、中〕長沙懷素、書を好む。自ら言ふ、三昧を得たりと。筆堆積し、山下に埋め、號して筆と曰ふ。

字通「筆」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「筆塚」の意味・わかりやすい解説

筆塚
ふでづか

寺子屋師匠などをしのんで,教え子たちが建てた記念の碑。筆子塚ともいう。また,使い古しの筆を供養するために建てられた塚のこと。寺子屋の生徒は筆子とも呼ばれていたが,長じてから資金を集めて建立した。寺子屋の師匠は,単に子供の教育を行なうばかりでなく,俳諧など地域の文化活動の中心的な人物であることが少なくなかった。このため,その死去に際して記念碑が建てられたのである。碑には寄進者の名が刻まれていることも多く,その地域の文化構造を知る金石文の一つとして注目されている。

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世界大百科事典(旧版)内の筆塚の言及

【筆】より

… 魏晋南北朝時代の筆の実物はほとんど残されていないが,魏の韋誕の《筆墨法》や晋の成公綏(すい)の〈棄筆賦〉その他の文献によると,漢代につづいて有心筆が広く用いられたと考えられる。隋の僧智永は多くの千字文を書いたことで知られ,ちびた筆を瘞(うず)めて〈退筆塚〉を作ったという。これが筆塚の始まりである。…

※「筆塚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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