通常実施権

産学連携キーワード辞典 「通常実施権」の解説

通常実施権

「通常実施権」とは、特許法規定、または設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明実施をする権利をいう。また、「通常実施権」は許諾による通常実施権、法定通常実施権裁定通常実施権に大別される。「通常実施権」は、発明の実施を独占するものではなく、単にその特許発明を実施することができる権利である。「通常実施権」を設定しても、特許権者がその特許発明を実施することができる。特許権者が他の者に「通常実施権」を重ねて設定することもできる。通常実施権は、その登録をしたときは、その特許権もしくは専用実施権またはその特許権についての専用実施権をその後に取得した者に対しても、その効力を生じる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「通常実施権」の意味・わかりやすい解説

通常実施権
つうじょうじっしけん
ordinary license

特許発明を実施することができる権利の一つ。通常実施権の法律上の性質債権であり,次の3種類がある。 (1) 許諾による実施権 当事者の任意の契約によって発生する。同時に同一内容の実施権を2人以上に対して設定することが可能である。 (2) 法定実施権 特許法の規定に基づいて当然に発生する。たとえば,先使用による実施権 (特許法 79) ,職務発明について会社が取得する実施権 (35条) など。 (3) 強制実施権

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世界大百科事典(旧版)内の通常実施権の言及

【特許】より

…他人の発明を盗んで出願しても冒認出願として拒絶査定を受けるし(特許法49条6号),特許を受けても無効理由となる(123条1項6号)。なお,これは従業者が職務上発明を完成させた場合も同様であり,その発明についての特許出願権は,まず従業者に原始的に帰属し,使用者は単に無償の排他力のない通常実施権を取得するのみである(35条1項)。ただ,それでは資金等を投下した使用者にとってあまりに不利であるので,契約,勤務規則その他の規定により,あらかじめ定めのある場合に限り,その発明を受ける権利は使用者に移転される。…

※「通常実施権」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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