羽アリ(読み)はあり

改訂新版 世界大百科事典 「羽アリ」の意味・わかりやすい解説

羽アリ(蟻) (はあり)
winged ant

アリ雌雄で,2対の膜質の翅を備え生殖を行う個体を羽アリという。一般に昆虫交尾のため空中に飛び立つことを婚姻飛行結婚飛行)といい,日本産のアリ類では4月下旬から9月上旬の間に行われるものが多いが,その時期や時刻は種類によって異なる。大量に羽アリが発生するケアリ類などは灯火群がり,交通機関の運転,商店の営業などに支障を生じ,工場で製品に混入することもある。なお,シロアリ類の有翅のものも羽アリということがある。
アリ
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「羽アリ」の意味・わかりやすい解説

羽アリ
はあり

昆虫綱膜翅(まくし)目アリ科の昆虫で、はねをもった個体の名称。普通アリの雌(女王)と雄にははねがあり、生殖時期に一斉に巣から飛び立ち、いわゆる結婚飛行を行う。キイロシリアゲアリやハヤシトビイロケアリなど日没前後に飛び立つ種類では、羽アリの大群が灯火に飛んでくることがある。また、シロアリ類の生殖虫も羽アリとよばれ、5月ごろに巣から飛び立つ。

[山内克典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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