サケ(鮭)(読み)サケ

百科事典マイペディア 「サケ(鮭)」の意味・わかりやすい解説

サケ(鮭)【サケ】

サケ科の魚。サケを指すのがふつうだが,ベニザケマスノスケなどを合わせた一群の総称としても使う。サケは地方名シャケ,アキアジ,シロザケ,トキシラズなど。全長1m,あぶらびれをもち,背面は青灰色,腹面は銀白色。産卵期には紅色の斑紋を生じる。またこの時期,雄の吻(ふん)は突出して曲がるため〈鼻曲り〉と呼ばれる。 日本海と北太平洋に分布し,これらに注ぐ川に産卵のため遡(さかのぼ)る。日本における南限は太平洋側では千葉県の夷隅(いすみ)川,日本海側では山口県である。稚魚は相模湾にも出現する。産卵期は秋〜冬。雌は砂礫(されき)底に穴を掘って産卵し,砂礫で上をおおう。ニジマスなどと違って産卵後の親は死ぬ。孵化(ふか)した稚魚は春,川を下って海に入り,2〜5年で成魚となって川を遡る。 鮮魚として食用にするが,最も普通には,新巻(あらまき),塩ザケ,冷凍,缶詰,燻製(くんせい)などにする。卵は塩漬して筋子イクラとして珍重される。産卵には,生まれ故郷の川を遡るので,人工的に採卵,孵化,放流することにより,資源の減少をかなり防ぐことが可能になった。 近縁種のベニザケ(ベニジャケ,ベニマスとも)は,より北方型で,遡河の南限は,北海道東岸で,缶詰,燻製などにされる。全長50cm前後であるが,最大90cm。この陸封型がヒメマスである。マスノスケは北海道以北に分布し,サケ属中最大で全長2m近くになる。米国ではキングサーモンといって賞味されるが,日本での漁獲量は少ない。→カラフトマスマス
→関連項目石狩鍋那珂川ベニマス母川国主義

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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