風通織(読み)ふうつうおり

精選版 日本国語大辞典 「風通織」の意味・読み・例文・類語

ふうつう‐おり【風通織】

〘名〙 重ね織の一種。経(たていと)・緯(よこいと)に異なる色糸を用い、織物の表組織と裏組織を適宜模様に応じて上、下に交換し、表裏同形の模様が反対色合いで表われるもの。ふうつう。ふうつ。
随筆・嬉遊笑覧(1830)二「巾着豊州にてふうつうと云、長崎にてだらと云とぞ、今、厚板類にふうつうと云もの、巾着などに用ゆる故、ふうつう織か」

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デジタル大辞泉 「風通織」の意味・読み・例文・類語

ふうつう‐おり【風通織(り)】

二重織りの一種。表裏に異色の糸を用い、文様の所で糸を交換して色の異なる同じ文様が表裏に織り出されたもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「風通織」の意味・わかりやすい解説

風通織
ふうつうおり

単に風通とも、二重(にじゅう)織ともいい、織物の表裏がそれぞれ別に一色ずつの織物組織をつくって表裏二重組織となり、模様が構成されている組織。この組織は正倉院裂(ぎれ)にみられ、また世界各地で独自のものが生み出されたが、名物裂としても糸屋風通などが知られている。和服地として風通縮緬(ちりめん)、風通お召などがある。広幅のものに、絹のほか最近では羊毛・化合繊のものがあり、高級婦人服などに使われている。

[角山幸洋]

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