大正・昭和期の哲学者九鬼(くき)周造の代表作。雑誌『思想』92~93号に掲載されたのち、1930年(昭和5)岩波書店から刊行された。序説、「いき」の内包的構造、「いき」の外延的構造、「いき」の自然的表現、「いき」の芸術的表現、結論の6章からなる。ヨーロッパ留学において体得した現象学的方法によって、「いき」という民族的文化現象の固有の構造を分析したものである。まず「いき」を、男女の「媚態(びたい)」における二元的関係と、武士道などにおける「意気地(いきじ)」と、仏教などに由来する「諦(あきら)め」の三つの契機によって完成させるものととらえ、さらにそれを「渋味」「地味」「上品」などから区別し、それが自然現象や芸術作品において、どのように表現されているかを分析している。そこには、日本の文化をあくまでも理性的に把握しようとする九鬼の姿勢がみられ、日本思想史研究および日本文化論における代表的な文献となっている。
[渡辺和靖]
『『「いき」の構造』(岩波文庫)』▽『安田武・多田道太郎著『「いきの構造」を読む』(1979・朝日新聞社)』
化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...
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