日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイスランド・ポッピー」の意味・わかりやすい解説
アイスランド・ポッピー
あいすらんどぽっぴー
Iceland poppy
[学] Papaver nudicaule L.
ケシ科(APG分類:ケシ科)の多年草。日本では秋播(ま)き一年草として扱われる。原種が宿根草なので宿根ヒナゲシともいう。アイスランド・ポピーともいう。シベリアからアジア大陸北部にかけての冷涼地に自生し、日本へは1915年ころ(大正初期)に渡来した。和名はシベリアヒナゲシ。草丈50~60センチメートルで、葉はやや鋸歯(きょし)をもった長楕円(ちょうだえん)状卵形の淡緑色で美しい。4~5月(暖地では1~3月)に花径6~8センチメートルの黄、橙(だいだい)、紅、白色の花を次々に開く。暖地の冬季の切り花として重要視されるが、一般家庭の花壇や鉢植えにも適する。ケシ類は直根性で移植を嫌うため、幼苗時に移植するか直播(じかま)きする。
[横山二郎 2020年2月17日]