あずきなし(読み)アズキナシ

デジタル大辞泉 「あずきなし」の意味・読み・例文・類語

あずき‐な・し〔あづき‐〕

[形ク]《「あじきなし」の上代語形》満足できない。ふさわしくない。無益だ。
「なかなかにもだあらましを―・く相見そめてもあれは恋ふるか」〈・二八九九〉

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精選版 日本国語大辞典 「あずきなし」の意味・読み・例文・類語

あずき‐な・しあづき‥

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 「あじきない(味気無)」の古形。心に満足できない。ふさわしくない。不当である。
    1. [初出の実例]「小豆奈九(あづきナク)何の狂言(たはこと)今更に童言(わらはごと)する老人(おいひと)にして」(出典万葉集(8C後)一一・二五八二)

あずきなしの補助注記

「ああつきなし」の変化したものともいわれる。「つきなし」は似合わしくない意。平安時代以降「あぢきなし」となる。

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