あて字(読み)あてじ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「あて字」の意味・わかりやすい解説

あて字
あてじ

いろいろの意味に使われるが,一般に,日本語を漢字で表記する際,両者の対応関係が「本来の正しいものではない」と主観的に感じられる場合の漢字をいう。広義では,いわゆる嘘字,誤字まで含むこともあるが,普通その使用が社会的慣用となっている場合をさす。たとえば,(1) 仮借 (かしゃ) の原理で,漢字の意味とは無関係にその発音 (「音」または「訓」) によって日本語の単語の音形を表わそうとしたもの (「丁度」「目出度い」など。ただし「倶楽部〈くらぶ〉」「囲炉裏いろり〉」のように多少とも意味の関連のある「ふさわしい字」を用いたものもある) と,(2) 漢字一字一字の読みとは関係なく,連字全体の意味に近い意味の日本語を表わす熟字訓 (「田舎」「土産」「海苔」) など。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android