あら(読み)アラ

デジタル大辞泉 「あら」の意味・読み・例文・類語

あら

[感]物事に感動したり、驚いたり、意外なことに気がついたりしたときに発する語。ああ。まあ。現代では主に女性が使う。「あら、お久しぶり」
[類語]まあオーマイゴッドなんともはやおやおやおやまああらあらおやあららあらまあなんとわあ

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精選版 日本国語大辞典 「あら」の意味・読み・例文・類語

あら

  1. 〘 感動詞 〙 物事に驚いたり、感動したりした時に発することば。現代では主として女性が用いる。あらあ。→あああなえっ
    1. [初出の実例]「あらことごとし」(出典:落窪物語(10C後)一)
    2. 「あら恨めしの人心や」(出典:謡曲・班女(1435頃))
    3. 「あら。来ないわよ。なにしに来るの?」(出典:雪国(1935‐47)〈川端康成〉)

あらの語誌

( 1 )従来感動詞「あな」に交替する形で使用された。近世前期までは詠嘆表現を以下に続ける形を基本としており、特に形容詞類に助詞「や」を下接する形式や、「あらうたての殿や」のように「評価語+の+評価の対象+や」の形式を後続させることが多かったが、男女を問わず使われていた。
( 2 )特に下接表現に制約もなくなり、女性が用いる感動詞として使用されるようになるのは、近代以降である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「あら」の意味・わかりやすい解説

アラ
あら /
ara
sawedged perch
[学] Niphon spinosus

硬骨魚綱スズキ目ハタ科ハタ亜科に属する海水魚背びれ棘(きょく)が13本あることで、11本をもつほかのほとんどのハタ族と区別され、アラ族に含められる。太平洋側では北海道から、日本海側では青森県から九州南岸、東シナ海、中国、朝鮮半島南岸、台湾、スル海などに分布する。大阪地方でホタ、高知地方でオキスズキとよばれている。体はやや長く側扁(そくへん)し、体高は体の中央部でもっとも高い。吻(ふん)はやや長くてとがる。上顎(じょうがく)の後端は目の前縁下に達する。前鰓蓋骨(ぜんさいがいこつ)の後縁は鋸歯(きょし)状で、隅角(ぐうかく)部にある大きな棘は後方に突出する。主鰓蓋骨の上部に3本の棘がある。背びれ棘部と軟条部の間は深くへこむ。鱗(うろこ)はきわめて小さく、側線有孔鱗(ゆうこうりん)数は84~93枚。幼魚には、吻端から目を通り尾部後端に達する灰褐色の縦帯があり、背びれ軟条部の前部、および尾びれに2個の大きな黒斑(こくはん)がある。成長につれてこれらの斑紋は不明瞭(ふめいりょう)となる。沖合いの水深70~360メートルの沿岸から大陸棚の縁辺の岩礁域や砂底域にすむ。全長は1メートルほどになる。初冬から春までが漁期で、延縄(はえなわ)や一本釣りで漁獲される。深海性の大形魚だけに、一本釣りはその豪快さが釣り人に人気がある。餌(えさ)はサバ、サンマ、イカなどの切り身を用いる。幼魚は底引網で漁獲される。白身の高級魚で、冬季は肉に脂肪がのり、刺身、鍋物(なべもの)、蒸し物にすると美味である。

片山正夫・尼岡邦夫 2020年6月23日]


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改訂新版 世界大百科事典 「あら」の意味・わかりやすい解説

アラ (𩺊)
Niphon spinosus

スズキ目スズキ科の海産魚。北海道からフィリピンまで分布する。多くの地方でアラ,関西でホタ,中国地方の各地でイカケ,長崎・熊本でスケソウなど地方により多くの呼名がある。体型は細長くスズキに似るが,体色は背部は茶褐色で腹部は白色である。背びれは2基で,吻(ふん)は長くてとがり,歯は絨毛状で犬歯状の歯がない。成魚は沿岸のやや深い岩礁域にすむが,幼魚は砂泥底からも得られ,体側に3本の明りょうな褐色縦帯がある。この縦帯は成長とともに不明りょうになる。全長1mに達する。魚類,甲殻類などを食べる。産卵期は地域により多少異なるが,5~9月である。成魚は釣りで漁獲される。冬季がしゅんでちりなべなどにして喜ばれる。なお,近年その分類学上の位置に問題のあることが指摘されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「あら」の意味・わかりやすい解説

アラ
Niphon spinosus

スズキ目ハタ科の海水魚。全長約 1m。幼魚の体形はスズキに似る。体の背面は褐色で,腹部は白い。幼魚には吻端から尾柄まで暗色縦帯があり,尾鰭両葉および背鰭軟条部に大きな暗色斑があるが,成長するにつれてともに不明瞭になる。大陸棚縁辺の岩礁底などにすむ。北海道南部以南,東シナ海,フィリピン近海に分布する。

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百科事典マイペディア 「あら」の意味・わかりやすい解説

アラ

スズキ科の魚。地方名ホタ,イカケ,タラ,オキスズキなど。スズキに似ているが口がややとがり,前鰓蓋(さいがい)骨に後方に向かう1本の鋭いとげがある。背面は灰青色,腹面は白色。全長1mに達する。日本〜フィリピンに分布し,やや沖合の岩礁部にすむ。冬美味。

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世界大百科事典(旧版)内のあらの言及

【クエ】より

…スズキ目ハタ科の海産魚(イラスト)。クエという呼称はもとは高知県,大阪府,和歌山県などで使われていたもので,三重県二木島でクエマス,和歌山県でキョウモドリ,下関でアラと呼ぶ。また,高知県では本種の幼魚をアオナまたはイギスと呼ぶ。…

【ハタ(羽太)】より

…日本近海からは60種以上が知られていて,このうち典型的なハタ類であるマハタ属は40種近くにのぼる。ハタ類の一般的名称として,関西を中心に西日本でマスまたはアラと呼ぶ地方が多い。また,英名としてsea bassまたはgrouperが一般的である。…

※「あら」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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