ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説 オーバーエスターライヒ〔州〕オーバーエスターライヒOberösterreich オーストリア北西部の州。州都リンツ。ほぼエンス川とイン川の間に位置する。 1450年頃,エンス川を境にオーバー,ニーダーの両エスターライヒに分れた。ドナウ川北部はオーストリア花崗岩高地の一部をなし,土壌の発達が悪く森林が卓越する。南部はザルツブルク州やシュタイアーマルク州との境にあるアルプス前山のダハシュタイン山地などがそびえ,岩塩産地ザルツカンマーグート地方を含む。州の中心はドナウ川とアルプス前山の間にあり,上位段丘面上にレスの堆積があるため,肥沃な農耕地帯となっている。褐炭も産出。人口密度が高く,リンツ,ウェルス,シュタイアー,トラウエンなどの都市も多い。土地利用上は 50%以上を牧草地,放牧地が占め,森林も 30%以上ある。イン川,エンス川には水力発電所が多い。 1954年以来,西部のリートで採油も行われている。リンツを中心に化学,鉄鋼,繊維などの工業が立地。ドナウ川の水運は,中世以来の重要性を維持している。面積1万 1980km2。人口 134万 76 (1991) 。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報