かっぱ（読み）カッパ

デジタル大辞泉

かっぱ

［副］
１ 突然発する激しい音を表す語。
「いただき給ふ鉢―と前に落ちにけり」〈伽・鉢かづき〉
２ 急に倒れ伏したり、起き上がったりするさま。がばと。
「今はかうとおぼえける時、―と起き」〈平家・五〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

かっぱ

1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
2. ① 勢いをこめて物事をするさまや、激しい音などを表わす語。
   1. [初出の実例]「大白牛車に打乗て権門をかっぱと破り」(出典：日蓮遺文‐如説修行鈔（1273）)
   2. 「いただき給ふ鉢かっぱと前に落ちにけり」(出典：御伽草子・鉢かづき（室町末）)
3. ② 激しい勢いで、急に倒れ伏し、または起き上がるさまを表わす語。どう。がば。
   1. [初出の実例]「いまはかうとおぼえける時、かぱとおき、舟のへたにたって奥の方をにらまへ」(出典：平家物語（１３Ｃ前）五)
   2. 「いづくに大蛇のあるべきぞと、祈り祈られかっぱと転(まろ)ぶが」(出典：謡曲・道成寺（1516頃）)
4. ③ 状態が急変するさまを表わす語。
   1. [初出の実例]「やすくなりたって、極れは、かっはとたかうなるそ」(出典：史記抄（1477）一九)

出典　精選版 日本国語大辞典

日本大百科全書(ニッポニカ)

かっぱ

キュウリの俗称。河童(かっぱ)は想像上の動物で、かわわっぱが転じてかわっぱとなり、さらに転じてかっぱとなった。その河童はキュウリが大好物であるということから、キュウリをかっぱというようになった。主としてすし屋の用語で、キュウリを芯(しん)に入れて巻いたのり巻きずしをかっぱ巻きという。

［多田鉄之助］

[参照項目] | 河童 | キュウリ | 巻ずし

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)