からから(読み)カラカラ

デジタル大辞泉 「からから」の意味・読み・例文・類語

から‐から

[副](スル)
堅い物が触れ合って立てる、響きのよい、軽い感じの音を表す語。「高下駄からから(と)鳴らして歩く」
車などが軽快に音を立てて回るさま。「矢車がからから(と)回る」
高らかに笑う声を表す語。「からから(と)大笑する」
[形動]
水分がすっかりなくなっているさま。「のどがからからに渇く」
器物の中がからで、何もないさま。「財布はからからだ」
アクセントラカラ、はカラカラ
[類語]1ちゃらちゃらちゃりんじゃらじゃらちりんちりんがちゃがちゃかたりがたりかたんがたんかたかたがたがたかたことがたごとことことごとごとことりごとりことんごとんこんこんこんごんごんがつんこつんごつんかちゃかちゃかちりかちかちこつこつどんとんとんとんどんどんかちゃりがちゃりかちゃんがちゃんかちんがちんがらがらがらりかんかんがんがんころころごろごろからんころんぽんぽんどたどたどかどかどっとどすどすどしどしばんばんどてんどたんどたりすとんずどんずしんずしりどすんどさりどしりどかんどしんばあんぱあんぱたりばたりばたんぼおんぽおんぽんとぽんぽこぼこぼこぽこぽこぽくぽくちんちん/(2くるりぐるりくるりくるりぐるりぐるりくるっとくるくるぐるぐるくりくりぐりぐりころころごろごろがらがらころりごろり/(3呵呵薄笑い忍び笑い盗み笑い嘲笑冷笑嗤笑ししょうあざ笑う薄笑うせせら笑う鼻で笑う1からりとからっと

カラカラ(Caracalla)

[188~217]ローマ皇帝マルクスアウレリウスアントニヌスあだ名。彼が用いたケルト人の衣服にちなむ。在位211~217。帝国内の全自由民にローマ市民権を与え、カラカラ浴場など、大建築事業を行う。東方遠征の途中殺された。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「からから」の意味・読み・例文・類語

から‐から

  1. 〘 副詞 〙
  2. ( 多く「と」を伴って用いる ) さわやかに高く笑う声を表わす語。
    1. [初出の実例]「からからとわらひ給へば」(出典:平家物語(13C前)一一)
    2. 「旧を談じて呵々(カラカラ)と笑ひ」(出典:自然と人生(1900)〈徳富蘆花〉写生帖)
  3. 金属の器など、堅い物が、ふれあってたてる音を表わす語。大きく、あかるく響く音を表わす。
    1. [初出の実例]「法師ばらの閼伽(あか)奉るとて、からからと鳴らしつつ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)
  4. 特に、車などが、調子よく回る音を表わす語。
    1. [初出の実例]「御くるまの装束をさながらたてさせたまひて、おのづからとみのことの折に、とりあへずとおしひらかば、からからと、人もてもふれぬさきにさしいださんがれうと」(出典:大鏡(12C前)三)
    2. 「車井の響(おと)珂々(カラカラ)と」(出典:不如帰(1898‐99)〈徳富蘆花〉上)
  5. 足音の高く響く音などを表わす語。
    1. [初出の実例]「某はいぬるで候と申て、あたりの在所へ、くらくらとかけて参りました」(出典:虎寛本狂言・竹生島参(室町末‐近世初))
  6. 転げまわるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「俄に取組て、からからと上に成り下に成り為るを」(出典:今昔物語集(1120頃か)二七)

から‐から

  1. [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙
    1. 物が乾ききっているさまを表わす語。〔俚言集覧(1797頃)〕
      1. [初出の実例]「赤くなったカラカラの葉が」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉秋)
    2. 器物などの内がからで、何もないさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「水汲みに出かける、ドラムカンの一本はもうカラカラなのである」(出典:鉛筆ぐらし(1951)〈扇谷正造〉ゲンマン記者)
    3. 無一文であるさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「籠にのる知恵はつきしかど、出銭(つかいせん)なきからからの身」(出典:浮世草子・新色五巻書(1698)一)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 物が乾ききっているさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「口中(くち)はからから干(かわい)て居るゆゑ」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)五)

から‐から

  1. 〘 名詞 〙
  2. 干した鮭をいう女房詞。〔大上臈御名之事(16C前か)〕
  3. (かつお)をいう女房詞。おかつ。
    1. [初出の実例]「かつほ。おかつ。からから共」(出典:大上臈御名之事(16C前か))

カラカラ

  1. ( Caracalla ) ローマ皇帝(在位二一一‐二一七)。マルクス=アウレリウス=アントニヌス。父帝の没後、弟を殺害し、独裁権力を確立。「アントニヌス勅令」を発して、帝国の全自由民に市民権を与える。東方遠征の途次、部下の反乱によって殺された。(一八八‐二一七

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「からから」の意味・わかりやすい解説

カラカラ
Caracalla
生没年:188-217

ローマ皇帝。在位211-217年。カラカラとは,彼がローマに持ち込んで着用を流行させたケルト人の外套にちなむあだ名であり,正式にはマルクス・アウレリウス・セウェルス・アントニヌスMarcus Aurelius Severus Antoninusと呼ぶ。セプティミウス・セウェルスとユリア・ドムナの長子として生まれる。父帝の在位中,弟ゲタとともに共同統治者となるが,父帝の死後,兄弟の間がらは悪化し,母后の尽力にもかかわらず,212年,彼は弟帝とその与党2万人余りを殺害してローマ帝国の単独の支配者となった。彼の統治政策のなかでも特に有名なものに,212年の〈アントニヌス勅法〉がある。この告示は帝国内のすべての自由民にローマ市民権を付与することを認めたものである。これによって,ローマ人と属州人との区別はなんの意味も持たないものとなり,従来の都市国家的基盤の上に築かれたローマ帝国の支配構造が名実ともに失われたことになった。しかし,そのねらいはローマ市民に課される相続税の増収にあったと言われている。彼は第二のアレクサンドロス大王をめざし,ゲルマニアや東部属州地域への外征を繰り返した。そのため,国家財政は危機に陥り,品位の悪化したアントニニアヌス銀貨を発行して急場をしのいだので,この銀貨の改鋳は3世紀のインフレ政策のモデルとなった。彼は元老院階層に敵対したが,下層民には好意的であり,精力的な浪費家ぶりは恩恵に浴した兵士や民衆の人気を博した。今日ローマに残存するカラカラ浴場の偉容はそのようすをしのばせる。217年メソポタミア外征中に親衛隊長官マクリヌスによって暗殺された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「からから」の意味・わかりやすい解説

カラカラ(鳥)
からから
caracara

広義には鳥綱タカ目ハヤブサ科カラカラ亜科に属する鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種オーデュボンカラカラをさす。この亜科Daptriinaeには10種が含まれ、北アメリカ南部から南アメリカ南部にかけて分布し、全長約40~65センチメートルで比較的長い足をしている。つめや嘴(くちばし)はあまり鋭くない。色彩は種類によって変化に富んでいるが、嘴の根元から目の周りにかけては赤や黄の皮膚が裸出している。生息環境も熱帯雨林、平原、山地の崖(がけ)、海岸の岩場などと種類によって異なり、食性も雑食性のもの、鳥類をとらえるもの、腐肉を食べるものと多様である。巣は岩や木の上、サボテンの上につくり、2~3個の卵を産む。オーデュボンカラカラPolyborus cheriwayはアメリカ合衆国南部からフエゴ島にまで分布する。草原にすみ、雑食性である。アカノドカラカラDaptrius americanusはメキシコ南部からブラジル南部の森林に、キノドカラカラD. aterはアマゾン流域の林にすむ。

高野伸二


カラカラ(Caracalla, Marcus Aurelius Antoninus)
からから
Caracalla
Marcus Aurelius Antoninus
(188―217)

ローマ皇帝(在位211または198~217。211年までは父セプティミウス・セウェルスと共治)。カラカラはあだ名で、彼が213年以後用いたケルト人の衣服にちなむ。弟ゲタとの仲はつねに悪く、211年の父帝の死後いっそう悪化、2人を和解させようとする母ユリア・ドムナの努力もむなしく、212年ついに共同統治者ゲタを殺して単独皇帝となった。同年、帝国内のほとんどすべての自由民にローマ市民権を付与する「アントニヌス勅法」を発布した。その動機はローマ市民に課された相続税の収入を増加させるためで、この発布により共和政期から続いてきたローマ市民権を道具としてローマの領域を支配する方法は完全に捨てられた。ライン、ドナウ、東方に転戦して、217年4月にメソポタミアのカルラエ付近で暗殺された。今日もローマに遺跡として残る巨大な公共浴場(カラカラ浴場)をつくったことでも有名。

[市川雅俊]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「からから」の意味・わかりやすい解説

カラカラ
Caracalla; Marcus Aurelius Severus Antoninus

[生]188.4.4. ルグドゥヌム
[没]217.4.8. カルラエ
ローマ皇帝 (在位 198~217) 。 211年まで父セプチミウス・セウェルス帝と共治。 14歳で結婚し,その後,妻を殺害。即位後,弟ゲタと主導権争いをし,弟とその友人多数を殺害し,実権を掌握。ローマに大浴場を建設して (→カラカラ帝の大浴場 ) 淫逸にふけり,また,212年には帝国の全自由民にローマ市民権を賦与するアントニヌス勅法を発布,租税の増徴をはかった。 212~213年内政を母にゆだねてゲルマン討伐の遠征を行ない,次いで 216~217年パルティア遠征を行なったが,その途上暗殺された。第2のアレクサンドロス3世 (大王) を夢見,ローマ史上随一の暴君と評された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「からから」の解説

カラカラ
Caracalla (本名 Marcus Aurelius Antoninus)

188~217(在位198~217)

ローマ皇帝。父セプティミウス・セウェルスと共同統治し,父の死後,弟ゲタを殺して単独で支配。212年には勅令を発し,帝国居住の全自由人にローマ市民権を付与,帝国の都市国家的な名残りを消滅させた。ローマに浴場を建設したが,東方に遠征し,その途中カラエで暗殺された。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

百科事典マイペディア 「からから」の意味・わかりやすい解説

カラカラ

ローマ皇帝(在位211年―217年)。212年,帝国内の全自由民にローマ市民権を与えた(アントニヌス勅法)。またカラカラ浴場など大建築事業をおこすなど浪費家として知られ,第二のアレクサンドロス大王をめざす幻想をいだき,東方遠征中暗殺された。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「からから」の解説

カラカラ〔キャラクター〕

ゲームソフト、アニメ「ポケットモンスター」シリーズに登場するキャラクター。こどくポケモン、「じめん」タイプ、高さ0.4m、重さ6.5kg。特性は「いしあたま」「ひらいしん」、かくれ特性は「カブトアーマー」。後に「ガラガラ」に進化する。

カラカラ〔工芸品〕

鹿児島で生産される焼酎用の徳利の一種。吸口に似た、細長い口を持つ陶磁器。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のからからの言及

【泡盛】より

…現在は貯蔵熟成したものに水を加え,アルコール分40,35,30,25%の製品としている。泡盛の酒器に提子(ひさげ)に似た〈酎家(ちゆうかあ)〉と〈からから〉がある。前者は鹿児島県で〈ちょか〉,後者は鹿児島県で〈からから〉,熊本県球磨地方で〈がら〉と呼ばれる。…

【ローマ】より

…スコットランドの領有は無理とみてそこからすべての軍を引き上げた。彼の息子カラカラ(在位211‐217)は父の政策を受け継ぐとともに,212年帝国の全自由民にローマ市民権を与える勅法(カラカラ帝告示)を発して,従来のイタリア人と属州人との支配・被支配の関係をなくした。しかし,アラマンニ族とゴート族はドナウ国境を脅かしていた。…

※「からから」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android