こびり付く(読み)コビリツク

デジタル大辞泉 「こびり付く」の意味・読み・例文・類語

こびり‐つ・く【こびり付く】

[動カ五(四)]
固くくっついて離れなくなる。「かま御飯粒が―・いている」
考えや印象が強く意識に残る。「頭に―・いて離れない」
人がまつわりつく。
小児こども二人とも母様かあさんに―・いて」〈鏡花婦系図
[類語]付くくっつくひっつくへばりつく付ける触れる吸い付く焼き付く焦げ付く吸着

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「こびり付く」の意味・読み・例文・類語

こびり‐つ・く【こびり付】

  1. 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
  2. 物または記憶・印象などが、かたくついてしまって離れなくなる。
    1. [初出の実例]「丹の粕はこびりつくし」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)二)
    2. 「それは一時彼の頭にこびり着(ツ)いた妄想を振落としたい気持からもあったが」(出典暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉二)
  3. 離れまいとして、まとわりつく。固執してしがみつく。
    1. [初出の実例]「世の中の蠅武士の飯を食ひはぐってはならぬと、扶持米にこびり付(ツイ)て居るものとは」(出典:開化問答(1874‐75)〈小川為治〉初)
  4. やわらかいものが、突っ張ったような感じになる。こわばる。
    1. [初出の実例]「私の顔の表情が固くこびりついてしまった」(出典:瀬山の話(1924)〈梶井基次郎〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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