デジタル大辞泉 「さしたる」の意味・読み・例文・類語
さし‐たる
1 (あとに打消しの語を伴って用いる)取り立てていうほどの。さほどの。「
2 特に思い定めた。特別の。
「何事にてか、―御望み深かりけること侍りけり」〈著聞集・六〉
[補説]1は特に「然したる」とも書き、副詞「
[類語]余り・大して・さほど・さして・さまで・そう・それほど・そんなに・
( 1 )平安時代の公家日記など記録体の文章で生まれた「指(させる)」が、十二世紀に入って「さしたる」と、読まれるようになったもの。助動詞「り」が衰え「たり」が盛んに用いられるようになったのに応じて、定着していく。従って、古記録などに見られる「指」の文字には「さしたる」と読んだか「させる」と読んだかはっきりしないものがある。
( 2 )中世の古記録では、「指」のほかに「差」「為差」とも表記されていたが、次第に平仮名書きが多くなり、副詞「さ」にサ変動詞「す」の連用形「し」、完了の助動詞「たり」の連体形「たる」が付いたものと意識されるようにもなる。
( 3 )近代に入ると漢字表記はほとんどされず、文語的な表現に仮名書きで見られるようになる。
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