しみ

精選版 日本国語大辞典 「しみ」の意味・読み・例文・類語

しみ

〘名〙 (形動) 「しみたれ」または「しみったれ」の略。
洒落本・禁現大福帳(1755)一「此時四味(シミ)の親類達は不審うつべし」
※洒落本・船頭部屋(19C初)鳥居町舟宿の套「しみになってては飲めませんネイ」

しみ

〘接頭〙 形容詞形容動詞などの上に付いて意味を強める。「しみしたたるい」「しみしつこい」「しみ真実」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「しみ」の意味・わかりやすい解説

しみ

肝斑(かんぱん)の俗称。おもに前額、側頭、頬骨(きょうこつ)(ほお骨)部などに左右対称に生じる境界明瞭(めいりょう)で平らな淡褐色色素沈着斑で、発赤かゆみなどは伴わない。30歳以後の女性に多いが、妊娠、月経不順、経口避妊薬連用に関連して生じる例もある。

 なお、老人性色素斑を俗に「しみ」とよぶこともある。これは老化現象の一つとしてみられる大小褐色色素斑で、そばかす(雀卵斑(じゃくらんはん))に似て小さく顔面に多発するものや、老人性疣贅(ゆうぜい)へ移行することもある大形のもの、あるいは白斑や色素斑が混在するものなどがある。とくに治療を要しないが、癌(がん)前駆症との鑑別悪性黒色腫(しゅ))が重要である。

[安藤巌夫]

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世界大百科事典 第2版 「しみ」の意味・わかりやすい解説

しみ【chloasma】

顔面,とくに眼の付近の前額部,頰部などにみられる褐色ないし灰褐色の色素斑で,肝斑とも呼ばれるが,肝機能障害との関係はない。色素斑の境界は比較的鮮明で,種々の形をとるが,発赤,搔痒(そうよう)感(かゆみ)などの炎症症状を伴わない。夏季に悪化し,冬季にはいくぶん色が淡くなる。30歳以後の女性に多く,男性にはほとんどみられず,女性ホルモンの異常によるものとも考えられるが,原因は不明である。妊娠時の卵胞ホルモンメラノサイト刺激ホルモン増加によるものは妊娠性肝斑と呼ばれ,出産後に自然に治癒する。

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百科事典マイペディア 「しみ」の意味・わかりやすい解説

しみ

肝斑とも。前額から眼の周囲,頬(ほお),口唇(こうしん)などに左右対称性に現れる色素沈着。褐色ないし暗褐色で,境界は比較的明瞭。一般に30歳以降の女性に多い。直射日光,精神的衝動などが誘因とされる。肝,卵巣,副腎皮質障害や,妊娠の際にもみられる。精神療法と,ビタミンC大量療法が行われる。なお,老化現象としての色素沈着も〈しみ〉と称する。これは主として顔面,手,その他の露出部にできる褐色斑で,普通は治療を要しない。

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図書館情報学用語辞典 第5版 「しみ」の解説

しみ

紙をなめて汚損したり,紙に穴を空けたりする,資料にとって有害な昆虫.資料保存においては,薬品による防除や曝書を行い,防虫と駆除に努めている.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「しみ」の意味・わかりやすい解説

しみ

肝斑」のページをご覧ください。

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