シャンフルリー(読み)しゃんふるりー(その他表記)Champfleury

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャンフルリー」の意味・わかりやすい解説

シャンフルリー
しゃんふるりー
Champfleury
(1821―1889)

フランスの小説家。本名ジュール・ユソンJules Husson。ラン市の庶民的家庭に生まれる。1843年来パリでミュルジェールらいわゆるボエームbohème(放浪芸術家)と交わり、パントマイム脚本、美術批評で認められ、47年、極貧画家の生活を写実的に描く『シヤン・カイユー』で若干の成功を得る。以後、画家クールベを擁護し、写実主義運動の総帥となるが、多く奇人変人を題材とし、文体素朴、感傷的で今日は読まれない。ほかに発表当時10万部発行した『モランシャールの市民たち』(1855)など長編小説20編余。評論集『ル・レアリスム』(1857)など。

[齋藤一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android