そぼろ(読み)ソボロ

デジタル大辞泉 「そぼろ」の意味・読み・例文・類語

そぼろ

[名・形動]
魚や肉などをほぐして味つけし、いり上げた食品。「鳥そぼろ
ぼろぼろに乱れているさま。みすぼらしくやつれたさま。また、そのような容姿衣服。「そぼろ髪」
「なりも―なその上に、顔の構へもただならぬ」〈伎・四谷怪談
ばらばらで細かいこと。また、そのさま。
鞍下くらしたの極というとこを、―に刻んでヨ」〈魯文安愚楽鍋

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精選版 日本国語大辞典 「そぼろ」の意味・読み・例文・類語

そぼ‐ろ

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 乱れてからまっていること。こんがらかっているさま。
  3. ( 形動 ) 細かい雨がしとしとと降るさま。
    1. [初出の実例]「雨はそぼろに降りければ」(出典:歌謡・万葉歌集(1655‐58頃)いつみしきふ)
  4. ( 形動 ) みすぼらしいこと。みすぼらしい衣服。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「三人連の客来りて〈略〉何れも麁綴(ソボロ)の躰なれば」(出典:談義本・八景聞取法問(1754)四)
  5. ( 形動 ) 細かいこと。細かに刻んだもの。また、そのさま。〔古今料理集(1670‐74頃)〕
  6. タイタラなどの魚貝や鳥肉豆腐などをすりつぶして味をつけ、いり煮にしたもの。おぼろ。〔俚言集覧(1797頃)〕
  7. 缶詰などの材料にする、低級な肩肉。
    1. [初出の実例]「ソボロと言って、缶詰用としては下級品の肩肉を出すのも」(出典:いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉三)
  8. 武具の一つ。指物の名。細竹を、ばらばらのまま寄せ合わせて、一か所をしばったもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「そぼろ」の意味・わかりやすい解説

そぼろ

鳥獣魚肉をでんぶより少し粗めにぽろぽろに炒(い)り上げたもの。魚の場合は、ゆでたり蒸したりしてから身をほぐし、調味料をあわせ、箸(はし)4、5本を使って水分がなくなるまで炒り上げる。鳥獣肉の場合は、ひき肉を使う。たいそぼろ、えびそぼろ、とりそぼろなどがある。弁当おにぎり、またそぼろ丼(どんぶり)などに用いる。彩りをきれいにするために、着色したものなどがある。脂肪分の少ない材料がそぼろ製造に適している。

河野友美

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百科事典マイペディア 「そぼろ」の意味・わかりやすい解説

そぼろ

魚肉の加工食品焼き,または蒸した魚肉をほぐし,炒(い)って,塩・砂糖などで調味する。おぼろと同様の食品であるがややあらめ。タイ,エビ,タラ,マグロなどを使用,白身魚のものは淡紅に染めたりする。また鶏,牛のひき肉でも作る。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「そぼろ」の解説

そぼろ

下ゆでした魚肉などを細かくほぐしたものやひき肉などを調味し、いった料理。鯛そぼろ・えびそぼろ・鶏そぼろ・牛そぼろなどのほか、調味した溶き卵をかき混ぜながら細かくなるまでいり上げた卵そぼろなどがある。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

栄養・生化学辞典 「そぼろ」の解説

そぼろ

 →魚粉

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