改訂新版 世界大百科事典 「たばこ税」の意味・わかりやすい解説
たばこ税 (たばこぜい)
たばこ税法(1984年制定)により製造タバコに対して課される間接消費税。1984年までは,旧たばこ専売法(1949年制定)によるたばこ専売制度のもとで日本専売公社がタバコの製造を独占し,その利益を専売納付金として国庫に納付していたが,84年に,たばこ専売制度が廃止され,民営化された。それに伴い,たばこ消費税法が制定され,日本たばこ産業株式会社に国税としてたばこ消費税が課されることになった。さらに,88年消費税法の制定とともに,たばこ消費税法が改正されて,たばこ税法となり,たばこ消費税もたばこ税と改称された。なお54年以来,都道府県たばこ消費税および市町村たばこ消費税が,専売公社に対して課されていたが,88年のたばこ消費税法改正に合わせて,必要な改正がなされ,名称も都道府県たばこ税および市町村たばこ税に改められた。納税義務者は,国内で製造される製造タバコについては製造者であり,輸入タバコについては,これを保税地域から引き取る者である(4条)。課税物件は製造タバコであり,喫煙用・かみ用およびかぎ用の3種類をいい,喫煙用は,さらに四つに区分されている。たばこ税は従量税であり,製造タバコがその製造場から移出し,または保税地域から引き取られるときに製造タバコ1000本につき3126円の税率により課税される。なお,タバコには国のたばこ税のほかに地方の都道府県たばこ税および市町村たばこ税が課されるので,国税,地方税を合わせると,その税率は1000本につき6252円となる。
執筆者:関本 千佳代
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報