ちょん

精選版 日本国語大辞典 「ちょん」の意味・読み・例文・類語

ちょん

[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 鋭い刃物などで断ち切るさまを表わす語。ちょきん。〔かた言(1650)〕
② じっと小さくかしこまっているさまを表わす語。ちょこん。
※俳諧・八番日記‐文政二年(1819)三月「ひな棚にちょんと直りし小猫哉」
③ 何か小さな物が突き出ているさま、ついているさまなどを表わす語。→補注。〔日葡辞書(1603‐04)〕
④ 程度の軽いさまを表わす語。ちょいと。他の語とともに接頭語的にも用いる。→ちょんぎまり
咄本・くだ巻(1777)狐「真先神明(まっさきしんめい)の茶やへいき、ちょんむだなし、きんきんの通り者。芸者一両人牽頭(たいこ)交りに腰うち掛る」
拍子木の音、またそれを打つさまを表わす語。
※談義本・根無草(1763‐69)後「尻われのぐっとこまり、ずいにげのぐひはづし、推量違ひの中の丁、打て置(おけ)チョン」
⑥ 能の大鼓の打音の一つ。鼓の中央の少し右を打ち、強大な音を出すもの。符号△で表わす。
[2] 〘名〙
① (芝居幕切れの際に打つ拍子木の音から)
(イ) 物事の終わり。それぎり。
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三「どうかこれでおさけはちょんとくぎりの飯(さいこ)をしめるとしやせう」
(ロ) 転じて、免職になること。くび。〔新語新知識(1934)〕
② (形動) まともでないこと、頭のわるいこと。つまらないこと。また、そういう人や物やそのさま。
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉初「ばかだの、ちょんだの、野呂間だのと」
③ 点のことをいう。印にうつ点、句読点など。
日本橋(1914)〈泉鏡花〉一「雪や氷、冷い氷よ。そら水の上にヽ(チョン)なんだ」
[補注](一)③の「日葡辞書」の「チョンギリト」の項には「物が外へ出ているさま、あるいはとがった部分のあるさま」という訳がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ちょん」の意味・読み・例文・類語

ちょん

[名]
《芝居の終わりに打つ拍子木の音から》物事の終わること。「その問題はこれでちょんだ」
免職になること。くび。
しるしにつける点。ちょぼ。「文中ちょんを打つ」
俗に、頭の悪いこと。また、おろかなこと。
「ばかだの、―だの、野呂間だのと」〈魯文西洋道中膝栗毛
[副]
拍子木の音を表す語。また、拍子木を打つさま。「ちょんがはいる」
刃物などを用いて一気に切るさま。「花の茎をちょんと刈り取る」
動作が敏捷に行われるさま。「石垣ちょんと飛びのる」「文鳥が肩にちょんと止まる」
力を入れずに軽く物事を行うさま。「紙飛行機を指でちょんと飛ばす」
[類語]1終わりおしまい終了完了完結終結終焉しゅうえん終末果てし幕切れ閉幕打ち止めかんりょうジエンド終わりを告げる終止符を打つピリオドを打つちょんになる/(3ぽちぽつちょぼ黒点こくてん中黒なかぐろドット2ちょきちょきちょきりちょきんざくりざっくりばっさりじょきじょきざくざくすっぱりさくさくざくふっつりぷつんぷっつりぶっつりぷつりさっくり

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