ちんからり(読み)チンカラリ

デジタル大辞泉 「ちんからり」の意味・読み・例文・類語

ちん‐からり[副]

[副]
金属製の物などが打ち合って鳴る音を表す語。
「その中で何を落したのか、―」〈紅葉多情多恨
物が何もないさま。
「また引き出しても―」〈浄・天の網島

ちん‐からり[名]

焜炉こんろ一種。琉球産という。ちんから。
「―に羽釜ひとつの楽しみ」〈浮・一代男・四〉

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精選版 日本国語大辞典 「ちんからり」の意味・読み・例文・類語

ちん‐からり

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙
    1. 内部何物もないさまを表わす語。ちんから。ちんからりん。
      1. [初出の実例]「化物屋敷ちんからり、傾城買ひのなりの果」(出典:浮世草子・椀久一世(1685)下)
    2. 金属性のものがぶつかる音を表わす語。ちんから。ちんがらちんがら。
      1. [初出の実例]「風鈴もや涼し月見のちんからり〈作者不知〉」(出典:俳諧・懐子(1660)九)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. ( 「からっぽなこと」から転じて ) とるに足りないような人をののしっていう語。
      1. [初出の実例]「ヤイ、そこにけつかるちんからりめら」(出典:歌舞伎・和布苅神事(1773)大詰)
    2. 金属性のものなど固いものがぶつかる音。
      1. [初出の実例]「それに引きかへけたたましい挑灯金棒、ちんからりが面白いか」(出典:浄瑠璃・関八州繋馬(1724)一)

ちん‐からり

  1. 〘 名詞 〙 沖縄から産出した焜炉(こんろ)の一種。ちんから。
    1. [初出の実例]「ちんからり、くどに据ゑて」(出典:松屋会記‐久重茶会記・寛永一九年(1642)五月一五日)

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