とんと(読み)トント

デジタル大辞泉 「とんと」の意味・読み・例文・類語

とん‐と

[副]
すっかり。きれいさっぱり。「宿題とんと忘れた」
(あとに打消しの表現を伴って)一向に。すこしも。「何度聞いてもとんとわからない」「とんと姿を見せない」
[類語]全然全く一向さっぱりまるきりまるで少しもからきしちっとも皆目一切まるっきり何らいささかも毫も微塵も毛頭更更何もなんにも何一つ一つとして到底とても全くもってどだいてんで寸分一寸寸毫毫末夢にも

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精選版 日本国語大辞典 「とんと」の意味・読み・例文・類語

とん‐と

  1. 〘 副詞 〙
  2. 疑問に思ったりためらったりするところのないさまを表わす語。すっかり。まったく。きっぱりと。
    1. [初出の実例]「火がふるや大宮人の台所〈松臼〉 神鳴とんとみまくほしさよ〈卜尺〉」(出典:俳諧・談林十百韻(1675)上)
    2. 「とんと杜若に生写しじゃ」(出典:歌舞伎・お染久松色読販(1813)序幕)
  3. ( 否定表現を伴って ) その打消や、否定的な表現を強調する。まるきり。一向に。
    1. [初出の実例]「わしらはとんと呑込まぬわひの」(出典:談義本・根無草(1763‐69)後)

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