どうぞ(読み)ドウゾ

デジタル大辞泉 「どうぞ」の意味・読み・例文・類語

どう‐ぞ

[副]副詞「どう」+助詞「ぞ」から》
丁重に頼んだり、心から願ったりする気持ちを表す。どうか。なにとぞ。「どうぞお許しください」「どうぞ大学に入れますように」
相手物事を勧めたり、承知許可を与えたりする気持ちを表す。「どうぞお召し上がりください」「はい、どうぞ
ある状態行為を実現させたいという気持ちを表す。なんとか。どうにか。「どうぞして産みの母にめぐりあいたい」
「―身をにしても父上御為にと」〈蘆花不如帰
どうか[用法]
[類語]強いて敢えてむりやり努めてできるだけ極力なるたけなるべく可及的必ずきっと絶対是非何としてもどうしても何が何でも是が非でも押してたってどうかくれぐれも願わくはなにとぞなんとかまげてひとつ必ずや必然必定必至不可避誓っててっきり違いないはず決まってすなわち否が応でも否でも応でもいやでもいやとも是非ともなにぶん平にしんからこころから衷心返す返す

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「どうぞ」の意味・読み・例文・類語

どう‐ぞ

  1. 〘 副詞 〙 ( 副詞「どう」に助詞「ぞ」が付いてできたもの )
  2. 手段を尽くして、行為や状態が実現するさまを表わす語。その手段・方法がさまざまな可能性があることを含めていう。何とか。どのようにでも。
    1. [初出の実例]「どふぞなされて下されぬ事は有まひ」(出典:虎明本狂言・八幡の前(室町末‐近世初))
    2. 「いやどふもかへりがおそいから、合点がいかん。さりながらどふぞこよふ」(出典:洒落本・遊子方言(1770)しののめのころ)
  3. 手段を尽くして、依頼・嘆願して自分の希望をかなえたい、という気持を表わす語。何とぞ。どうか。
    1. [初出の実例]「稽古の為でもござる程に、どうぞお直しなされて下され」(出典:雲形本狂言・八句連歌(室町末‐近世初))
    2. 「気色がわるいと申ます。どふぞ御薬を」(出典:咄本・無事志有意(1798)妙薬)
  4. ( から転じて ) 相手に物事を勧めたり許可を与えたりするときにいう語。
    1. [初出の実例]「どうぞこちらへお出でなすって」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)三)
  5. 相手に物事をたずねるときにいう語。何か。どうしたのか。
    1. [初出の実例]「大女房二十計の風情にて 縁の遠ひはとうそ子細か〈西海〉」(出典:俳諧・物種集(1678))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android