精選版 日本国語大辞典 「ど」の意味・読み・例文・類語
ど
① 逆接の確定条件を表わす。…けれども。
② 条件に対して、常にそれと背反する一定の結果を生ずることを表わす。いかに…しても。…の場合でも。
※万葉(8C後)二・一〇六「二人行け杼(ド)行き過ぎかたき秋山をいかにか君がひとり越ゆらむ」
[語誌](1)語源については、文献以前の時代に推量を表わす鼻音的要素が、助詞「と」と融合し「ど」となったとする説(吉田金彦)がある。
(2)上代には、確定条件逆接の意味は活用語の已然形だけでも表わせたが、逆接の意味を補強するため助詞「ど」「ども」が用いられた。
(3)上代、散文においては「ども」にくらべて用例が少ないが、「万葉集」ではほとんど同様に用いられた。中古の女流作品では「ど」が圧倒的に多用されたのに対し、漢文訓読文では「ども」をもっぱら用いるという著しい傾向がある。この傾向は中世初期まで続くが、しだいに「ど」は用いられなくなり、中世末期に至ると日常語からはほとんど消えて、文語化したらしい。
(4)①の挙例の「万葉‐三七二八」のように、条件と帰結との間に因果関係がない場合がある。しかし、この場合も都会の道と山の道というような対立の認識は存在する。
(2)上代には、確定条件逆接の意味は活用語の已然形だけでも表わせたが、逆接の意味を補強するため助詞「ど」「ども」が用いられた。
(3)上代、散文においては「ども」にくらべて用例が少ないが、「万葉集」ではほとんど同様に用いられた。中古の女流作品では「ど」が圧倒的に多用されたのに対し、漢文訓読文では「ども」をもっぱら用いるという著しい傾向がある。この傾向は中世初期まで続くが、しだいに「ど」は用いられなくなり、中世末期に至ると日常語からはほとんど消えて、文語化したらしい。
(4)①の挙例の「万葉‐三七二八」のように、条件と帰結との間に因果関係がない場合がある。しかし、この場合も都会の道と山の道というような対立の認識は存在する。
ど
〘接頭〙 (接頭語「どう」の変化した語か)
① 名詞・形容詞・形容動詞、時には動詞の上にも付いて、ののしる気持をこめる。近世以来の上方の俗語で、現在も関西方面を主として用いられている。「ど根性」「どしぶとい」「どあつかましい」など。
※雑俳・登梯子(1705)「としどしは産むも因果やどいんぐはや」
② 名詞や形容詞の上に付いて、まさにそれに相当する意であることを強調する俗語。「ど真ん中」「どぎつい」など。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報