にかわ(読み)にかわ(その他表記)glue

翻訳|glue

百科事典マイペディア 「にかわ」の意味・わかりやすい解説

にかわ(膠)【にかわ】

粗製ゼラチン動物の皮,腱(けん),結合組織,骨等を石灰水に浸して煮沸,浸出し,さらに濃縮,乾燥したもの。魚類から得たものを魚膠(ぎょこう)というが,品質は獣膠より劣る。木材,紙,布等の接着剤として古くから使用されてきたが,合成樹脂接着剤の登場によって需要は急減した。
→関連項目岩絵具漆絵金銀泥絵接着剤礬水墨汁

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「にかわ」の意味・わかりやすい解説

にかわ
にかわ / 膠
glue

不純物を含んだ低品質のゼラチンをいう。以前は「にべ」ともいった。にかわは、魚の皮や浮肚(ふと)(うきぶくろ)、ウシウマブタなどの骨や皮などの動物性の材料を、いったん石灰水に浸漬(しんし)してから熱水で抽出し、結締組織から得られるコラーゲンやゼラチンなどの部分分解物を集めて濃縮・冷却して固めたもの(ゲル)である。黄褐~帯褐色を有する。接着剤のほか、墨や岩絵の具などの保護コロイドとして利用される。湯煎(ゆせん)にかけて水溶液(ゾル)としてから用いる。接着性はきわめて優れているが、耐水性の点では、新しいうちはあまり十分ではない。能『草紙洗小町』のように、新しい墨は洗い落とせるが、古墨は紙に固着して洗っても落ちないことからもこの特性がよくわかる。

山崎 昶]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

栄養・生化学辞典 「にかわ」の解説

にかわ

 動物のコラーゲンを水で煮て濃縮し,冷却してゲル化させたもの.原料には,骨,皮,腱などが使われる.精製して食用ゼラチンを作る.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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