のさのさ(読み)ノサノサ

デジタル大辞泉 「のさのさ」の意味・読み・例文・類語

のさ‐のさ

[副]
ゆっくりと歩くさま。のそのそ。
傍らくさむらから、―と出たのはひきで」〈鏡花高野聖
のんびりしているさま。
「いとしづかに馬を飼うて―としてぞ居たりける」〈太平記・三六〉
横柄に振る舞うさま。遠慮のないさま。
「あいつめが初心ななりで、―と乗り上がって」〈虎明狂・禰宜山伏
[類語](1のそのそとぼとぼのこのこのろのろぐずぐずもたもたのそりのっそりそろそろゆっくりだらだらちんたらのろまのっしのっしのしのし遅いのろいのろくさいまぬるいまのろいスロー緩慢とろいまだるいまだるっこい鈍い緩徐遅緩スローモー遅遅ぼやぼや鈍重どんとろとろぼちぼちぼつぼつぽつぽつ徐徐徐徐にじわじわじわりじわりじりじりのたりのたりのたりそろりゆるゆるのんびりのらくらゆったりもさくさもさっともさもさ悠然悠悠便便だらり便便のんべんだらりずぼらものぐさぐうたらだらしないしだらないぬらりくらりのらりくらりぬらくらのらくらちゃらんぽらん無精ルーズぶらぶらごろごろ無気力だらけるのほほん風太郎ぷうたろうその日暮らしふしだら自堕落ずるける怠ける手を抜く手抜き骨惜しみ投げ遣りレイジー怠慢怠惰無為拱手きょうしゅ横着怠るサボるイージーイージーゴーイング風の吹くまま気の向くまま油を売るまったり漫然たるむぬるま湯ぬるま湯につかる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「のさのさ」の意味・読み・例文・類語

のさ‐のさ

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. ゆとりがあって、物に動じないさま、平然としたさまを表わす語。ゆうゆう。
    1. [初出の実例]「楠をも河を越させて打殺せとて最閑(しづか)に馬を飼てのさのさとしてぞ居たりける」(出典:太平記(14C後)三六)
  3. 周囲のことに気を配らないで、ひとり横柄にふるまうさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「矢の一をも不射懸して、城の麓をのさのさと通しければ」(出典:太平記(14C後)三二)
  4. 周囲の情況とちぐはぐで、のんびりしているさま、おおらかで、のんきなさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「真逆様にどうど転び、忠信が打物提げて待つところへ、のさのさと転びてぞ来りける」(出典:義経記(室町中か)五)
  5. ゆっくりと歩くさまを表わす語。のそのそ。
    1. [初出の実例]「しはがれし声にておとぎ申さふと、のさのさきたるありさま」(出典:浮世草子・好色ひともと薄(1700)五)

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