はっと(読み)ハット

デジタル大辞泉 「はっと」の意味・読み・例文・類語

はっ‐と

[副](スル)
思いがけない出来事にびっくりするさま。「大きい音にはっと目が覚める」「はっとするような美しい色」
急に気づいたり思いあたったりするさま。「はっと我に返る」「はっとひらめく」
動作変化が急であるさま。
「―坐作いずまいを正して」〈小杉天外魔風恋風
[類語]ぎっくりどきんどきどきどきっとはらはらあっとぎょっとぎくりとびくっとどきりとびくりわなわながたがたがくがくぶるぶるひくひくびくびくぴくぴくぴくりひやり総毛立つ背筋が寒くなるぞっとする肌に粟を生じる身の毛がよだつ鳥肌が立つひやっと冷や汗冷汗三斗寒心慄然

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精選版 日本国語大辞典 「はっと」の意味・読み・例文・類語

はっ‐と

  1. 〘 副詞 〙
  2. ( 感嘆して発することば「は」「はっ」から。→はと ) 思いがけない出来事に驚くさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「徳兵衛はっと色をかへ」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703))
  3. 動作や状態の変化が急であるさまを表わす語。とつぜん。ぱっと。〔ロドリゲス日本大文典(1604‐08)〕
    1. [初出の実例]「俊寛が妻の幽霊ぞや。手取にして見よといふより姿はっと消へ」(出典:浄瑠璃・平家女護島(1719)四)
  4. はでで目に立つさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「奥ぶかには見へず、はっとならずは、此里に出ぬがまし也」(出典:浮世草子・好色二代男(1684)八)

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世界大百科事典(旧版)内のはっとの言及

【郷土料理】より

… ほうとうダイコン,ニンジン,サトイモ,カボチャなど季節の野菜を取り合わせたみそ汁仕立ての煮込みうどんで,山梨県の代表的郷土料理。平安時代の唐菓子に起源をもつが,さまざまに変形して各地に残存しており,〈はっと〉〈はっとう〉などと呼ぶところもある。 煮貝アワビをしょうゆ味で煮込んで,そのまま煮汁につけ込んだもの。…

※「はっと」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」