はらり(読み)ハラリ

デジタル大辞泉 「はらり」の意味・読み・例文・類語

はらり

[副]
軽いものが落ちたり垂れ下がったりするさま。「はらり写真が落ちる」「涙がはらりとこぼれる」「髪がはらりと顔にかかる」
動作が軽く、すばやいさま。
「―と気早に立って」〈鏡花婦系図
まったく。また、すっかり。
「主人たる人の心と、下男の心と、ものごと―と違ひて」〈咄・醒睡笑・一〉
[類語](1ちょろりちょろちょろちょびちょびちょぼちょぼちびちびちびりちびりぽつぽつたらりほろりびらびらぴらぴらひらりひらりはたはたゆらゆらゆさゆさちらりほらりぱらぱらふわふわひらひらひらり片片へんぺんぼとぼとぼたぼたぽたぽたほろほろぽろぽろぽとぽとぼろぼろたらたらだらだらはらはらばらばらぽろりほたほたぽつりぽつりぽつりぽつんぱらりぽたりどくどくとくとくしたたりだくだくぽとり滴る滴り落ちる垂らす垂れるこぼれるほとばしるあふれる

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精選版 日本国語大辞典 「はらり」の意味・読み・例文・類語

はらり

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. 軽い物が他の物にかすかに当たったり落ちたりするさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「鏑はざっとわれてはらりと落」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)
    2. 「プロマイドの写真がハラリと膝の上に落ちた」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉夏)
  3. 髪などが乱れてさがったり広がったりするさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「このほとむすぶをはらりと御ときあるぞ」(出典:日本書紀兼倶抄(1481))
    2. 「はらりと下る前髪の毛を」(出典:たけくらべ(1895‐96)〈樋口一葉〉八)
  4. 軽く素早い動作や動きを表わす語。
    1. [初出の実例]「右の折骨二つ三つ、はらりといければ」(出典:曾我物語(南北朝頃)一)
  5. いっせいに動くさまを表わす語。〔運歩色葉(1548)〕
    1. [初出の実例]「物ないはせそ討ちとれと、一度に剣をはらりとぬく」(出典:浄瑠璃・国性爺合戦(1715)千里が竹)
  6. 例外なくその状態であるさまを表わす語。残るところなく。まったく。すっかり。ぱらり。ばらり
    1. [初出の実例]「シチニン ノ コ ノ キヅナ ヲ イチド ニ fararito(ハラリト) キリ タマウ ナリ」(出典サントスの御作業の内抜書(1591)二)

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