ばたばた(読み)バタバタ

デジタル大辞泉 「ばたばた」の意味・読み・例文・類語

ばた‐ばた

[副](スル)
物が続けざまに激しくぶつかる音や、そのさまを表す語。
㋐物が風に激しくあおられる音、鳥の大きい羽音などにいう。「強風テントばたばた(と)鳴る」「烏が羽をばたばたさせる」
㋑人が手足を激しく動かして立てる音にいう。「廊下ばたばた(と)走る」「駄々をこねて手足をばたばたさせる」
続けざまに落ちたり倒れたりするさま。「棚の上に積み上げていた本がばたばた(と)落ちる」「熱病で人がばたばた(と)死ぬ」
あわただしく物事をするさま。また、あわただしいさま。「残りの仕事をばたばた(と)片づける」「引っ越しで家中ばたばた(と)している」
[名]
オート三輪、また、オートバイのこと。
歌舞伎で、早足・駆け足を強調するツケの打ち方。
[類語]1ひゅうびゅうぴゅうひゅっとびゅんびゅんひゅうひゅうびゅうびゅうぴゅうぴゅうそよそよさわさわそよざわざわさやさやさらさらはたはた/(3目まぐるしい忙しいせわしいせわしない気ぜわしい慌ただしいきりきり舞い東奔西走てんてこ舞い多忙繁忙繁多繁劇多事多端多用繁用席の暖まるいとまもない猫の手も借りたいそそくさせかせか性急拙速多端忙殺怱忙そうぼう倥偬こうそう怱怱そうそう大忙し取り紛れる手が塞がる目が回る応接にいとまがないあくせくこせこせせっかちあたふた気早気早い大わらわ貧乏暇無し甲斐甲斐かいがいしいそわそわ右往左往慌てふためく動き回るちょこまかうそうそ倉卒押せ押せてんやわんややいのやいの

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精選版 日本国語大辞典 「ばたばた」の意味・読み・例文・類語

ばた‐ばた

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
    1. 続けざまに激しく打ち合わせる音、またそのさまを表わす語。
      1. (イ) 物と物とがあたるさま。
        1. [初出の実例]「火打をばたばたと打音に」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703))
      2. (ロ) 音を立てて勢いよく歩くさま。また、手足を強く振ったり床に打ちつけたりするさま。
        1. [初出の実例]「揚口(あがりぐち)よりばたばた歩み」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)五)
      3. (ハ) 羽音や団扇(うちわ)などの音のするさま。エンジンの音などにもいう。〔日葡辞書(1603‐04)〕
        1. [初出の実例]「羽をばたばたさせる」(出典:藁草履(1902)〈島崎藤村〉二)
        2. 「自動車がバタバタと機関の音をさせると」(出典:一九二八・三・一五(1928)〈小林多喜二〉五)
      4. (ニ) 物が続けざまに倒れたり衰えたりするさま。
        1. [初出の実例]「コロリデ ヒトガ batabata(バタバタ)ト シヌル」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
    2. ( 連続的な音から転じて ) あわただしく事を行なうさま、あわてもがくさま、事がはかどるさまなどを表わす語。
      1. [初出の実例]「膳をすへてもどる者と膳をすへに出るものとが、ばたばたとゆきあたりて膳をうちさらし」(出典:春鑑抄(1629)智)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. 歌舞伎の演出用語。最初は人物のあわただしい出入りの効果を実際に足音をさせて聞かせていたが、のちには拍子木付板の上で交互に打って、人物の駆け出してくるのを強調する。
      1. [初出の実例]「ばたばたにて官蔵出る」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)三)
    2. ( エンジンの音が甲高くばたばたというところから転じて ) オート三輪のこと。ばたばたオートバイ。
      1. [初出の実例]「炊事の使うバタバタの積荷の下に入れて」(出典:真空地帯(1952)〈野間宏〉三)

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