ビダー(読み)びだー(英語表記)King Vidor

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビダー」の意味・わかりやすい解説

ビダー
びだー
King Vidor
(1894―1982)

アメリカの映画監督テキサスガルベストン生まれ。1915年ハリウッド入り。監督第一作は1919年の『故郷への道』。独立プロ設立後MGMに入社、監督としての名声を着実に高める。とくに『ビッグ・パレード』(1925)、『群衆』(1928)はサイレント映画の傑作として名高い。黒人のみのキャストによる『ハレルヤ』(1929)でトーキーに踏み出し、『街の風景』『チャンプ』(ともに1931)、『南風』(1933)、『麦秋(むぎのあき)』(1934)など立て続けに秀作を発表、ハリウッドきっての名監督となる。彼の映画は人間味の豊かさ、効果的な移動撮影を中心とする卓越した技巧において際だつ。第二次世界大戦後の作品には『白昼決闘』(1946)、『摩天楼』(1949)、『戦争と平和』(1956)などがある。

[宮本高晴]

資料 監督作品一覧

故郷への道 The Turn in the Road(1919)
楽しき時間(益々順調) Better Times(1919)
除隊の後 The Other Half(1919)
純朴なる同胞(野の花・庭の花) Poor Relations(1919)
名門の血 The Family Honor(1920)
短剣児(涙の船唄) The Jack-Knife Man(1920)
曠野に叫ぶ The Sky Pilot(1921)
黄昏より黎明へ Dusk to Dawn(1922)
征服されし女 Conquering the Woman(1922)
君が名呼べば Peg o' My Heart(1922)
塑像の女(彫刻家の妻) The Woman of Bronze(1923)
母を死守して Happiness(1924)
青春の美酒 Wine of Youth(1924)
男子凱旋 His Hour(1924)
半獣半人の妻 The Wife of the Centaur(1924)
腕自慢 Proud Flesh(1925)
ビッグ・パレード The Big Parade(1925)
ラ・ボエーム La bohème(1926)
剣侠時代 Bardelys the Magnificent(1926)
群衆 The Crowd(1928)
活動役者 Show People(1928)
ハレルヤ Hallelujah!(1929)
ビリー・ザ・キッド Billy the Kid(1930)
街の風景 Street Scene(1931)
チャンプ The Champ(1931)
南海の劫火 Bird of Paradise(1932)
シナラ Cynara(1932)
南風 The Stranger's Return(1933)
麦秋 Our Daily Bread(1934)
結婚の夜 The Wedding Night(1935)
薔薇は何故紅い So Red the Rose(1935)
テキサス決死隊 The Texas Rangers(1936)
ステラ・ダラス Stella Dallas(1937)
城砦 The Citadel(1938)
北西への道 Northwest Passage(1940)
白昼の決闘 Duel in the Sun(1946)
我が道は楽し On Our Merry Way(1948)
摩天楼 The Fountainhead(1949)
森の彼方に Beyond the Forest(1949)
東は東 Japanese War Bride(1951)
ルビイ Ruby Gentry(1952)
星のない男 Man Without a Star(1955)
戦争と平和 War and Peace(1956)
ソロモンとシバの女王 Solomon and Sheba(1959)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビダー」の意味・わかりやすい解説

ビダー
Vidor, King

[生]1894.2.8. テキサス,ガルベストン
[没]1982.11.2. カリフォルニア,ウィロークリーク
アメリカの映画監督。 1920~30年代に活躍した。代表作『ビッグ・パレード』 The Big Parade (1925) ,『群衆』 The Crowd (41) ,『白昼の決闘』 Duel in the Sun (47) 。

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