ぴしっと(読み)ピシット

デジタル大辞泉 「ぴしっと」の意味・読み・例文・類語

ぴしっ‐と

[副]
むちで勢いよく打ったり、ふすま・障子などを強く閉めたり、ガラスなどに亀裂が走ったりするさま。また、そのようにして鋭く音を立てるさま。ぴしりと。「むちをぴしっと鳴らす」「湖面の氷がぴしっと割れる」
容赦のない鋭い調子で物事をするさま。ぴしりと。「要求ぴしっとはねつける」
いい加減なところがないさま。すきがないさま。「ズボンアイロンぴしっとかける」「計算ぴしっと合う」
[類語](1丁とはっしばしっとびしっとびしりぴしりびしびしぴしぴしばんばん/(2厳しいきつい厳格厳重厳酷厳正冷厳峻厳しゅんげん峻烈しゅんれつ苛酷かこくこく容赦ようしゃない仮借かしゃくない険しい鋭い激しいひどい手痛い手厳しい手ひどいこっぴどい辛辣しんらつ断固きっぱり断然毅然断じて頑として屹度きっと心を鬼にする

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精選版 日本国語大辞典 「ぴしっと」の意味・読み・例文・類語

ぴしっ‐と

  1. 〘 副詞 〙
  2. 矢などが激しい勢いで、突きささる音、鞭などで強く打つ音、戸障子を勢い激しく閉めきる音などを表わす語。
    1. [初出の実例]「さういふ私たちを眼がけて、狙撃弾がぴしっと来て」(出典:肉体の悪魔(1946)〈田村泰次郎〉)
  3. 容赦なく、厳しく、激しい調子や感じを表わす語。ぴしり。
    1. [初出の実例]「自分が自分の力で食ってゆけないことが頭にぴしっと来た」(出典:世間知らず(1912)〈武者小路実篤〉二五)
  4. いい加減なところがないさま、すきがないさまを表わす語。「計算がぴしっと合う」

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